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IKEA古民家イベント

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    11月6~9日に、上野桜木町の古民家・市田邸でおこなわれた、IKEA新三郷オープン記念イベントと、その後に歩いた不忍池界隈の写真です。 イベントは和の家にどうIKEAの北欧デザイン家具を組み合わせるのかを見せてくれた、なかなか面白いイベントでした。

『けいおん!』聖地巡り・その1 豊郷への道のり

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    9/2~3と滋賀と京都の『けいおん!』ゆかりの場所を巡ってきた記録です。 まずは校舎のモデルになった豊郷小学校・旧校舎のある滋賀県豊郷町へ向かう道すがらの色々をば。

『けいおん!』聖地巡り・その2 豊郷小学校・旧校舎

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    9/2~3と滋賀と京都の『けいおん!』ゆかりの場所を巡ってきた記録です。 続いてはアニメの再現度がよくわかる実際の豊郷小学校・旧校舎を。

『けいおん!』聖地巡り・その3 けいおん!inリアル

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    9/2~3と滋賀と京都の『けいおん!』ゆかりの場所を巡ってきた記録です。 こちらは旧校舎に開設された観光案内所を彩るファンの持ち寄ったグッズや「トンちゃんパン」「巡礼記念キーホルダー」などの記念グッズ、せっかくなのでドールを持ち込んで撮ってみた写真など色々ですw

『けいおん!』聖地巡り・その4 京都市内あちこち

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    9/2~3にかけて滋賀・京都の『けいおん!』にちなんだ場所を巡った旅の記録です。こちらは9/3に京都市内のあちこちを見て回った時の写真で、『けいおん!』だけでなく『四畳半神話体系』『ネイチャージモン』も混じったりしてますw

らきすたの街・鷲宮 20081109

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    ロングドライブの練習がてら、地元より来るまで40分ほどの埼玉県・鷲宮町に行ってきました。そこで撮った写真を色々と。

書籍・雑誌

2016.07.15

伝染する「薄暗い記憶」…ホラー漫画家・洋介犬氏の実話怪談集『黒い思ひ出』を読む


■以前に自分が手がけていた企画記事で単行本「誘怪犯」を取り上げたのをきっかけに、雑誌やネットで作品を追っかけさせていただいている、ホラー漫画家の洋介犬先生。
万人が親しみやすいタイプの絵柄で描かれるからこそ際立つ「日常と非日常」「良識と悪意」「正常と異常」の境界線がズレる瞬間の恐怖を、短いページ数で鋭く描いてきた同氏の最新刊が、マンガではなく文章による実話怪談集と聞き、早速購入させていただきました。
■氏の作品はマンガの方も実話怪談的な趣の作品が多いだけに、はたして文章だとその持ち味はどう変わるのか? そんなことを気にしながら43本の怪談を読んでいく…人がふとしたことで思い出してしまった、過去の不可解な記憶が生み出す恐怖を軸に紡がれるエピソードは、得体の知れ無さにゾクリとするものから、ノスタルジックでちょっぴりハートフルなものも。
でもそんなハートフルなものかと思わせておいて、オチで恐怖の彼岸に叩き落とされたり、一番ヤバイのは人間じゃないかとゾワっとさせられたりと、バラエティに富んでいて飽きが来ない。中でも氏の地元である京都にまつわる怪談は、ネタ自体は怖いのに土地柄のせいかまったりしんみりしていたり、落語のようなオチがついたりと、そこだけ経路が違うのも面白かったり。
■先に書いたように、個人的に気になっていたのが、同じ作家さんによる実話怪談でも、マンガと文章ではどんな違いが出てくるのかという点。そして読み終えて感じたのは、マンガが息つく間もなく叩き込まれる切れ味鋭い恐怖というジャブとすれば、この本の怪談はじわじわと絞め技をかけられているような長引く重苦しさとでも例えるべきか。まさに記憶の蓋に閉じ込めたはいいけど、ずっと気になって仕方がない不快な思い出が伝染させられるような感覚だ。
言い方は悪いが、マンガはどれだけ怖かったり不快なネタでも「マンガ(フィクション)だから」と割り切ることができる。でも、現実と虚構の境界線が曖昧な文章による実話怪談では、そう簡単には割り切れない。この作品は洋介犬氏流の恐怖を、マンガという表現のオブラート無しで、濃厚な原液のままぶつけてきたといえるのかもしれない。
■実はこういうスタイルの実話怪談本を読むのは初めてだったのですが、グイグイと読み進められたので、実話怪談入門者には最適な一冊かも。
個人的におすすめなのは「オミヤゲ」「旅行写真」「樹霊視」「侵入社員」「厄舌禍」「白女立つ」あたりです。霊感がないのか、それとも現実には怪異なんてもの自体存在しないのかというぐらいに、その手の事象に縁が無いだけに、やはり人間の業や歪みにまつわる話に心惹かれてしまいます。
そういえば怪異譚を見聞きした人間は、自身も怪異に出会うことになるという…どんなに神に祈ろうと善行に励もうと、何のご加護も授からない現実の世知辛さに打ちのめされ続けている身だけに、せめて怪異にでも出会ってこの世にまだ不思議はあるのだと思いたいもんです。そう思っている人は、この本を読んで薄暗い記憶を自分の心に刷り込んでみるのも悪くないかも。

2016.03.25

小山田いく先生のご冥福をお祈りいたします

■先週の頭に闘病中だった母を看取り、葬儀などの慌ただしさに押し流されながらも何とか納骨まで終えて、ショックと哀しみも和らいできた所でしたが、本日個人的には大変ショッキングな訃報が。

「すくらっぷ・ブック」漫画家小山田いく氏死去

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最近の若い漫画ファンでは知らない人も多いと思いますが、1980年代の脂の乗りきっていた週刊少年チャンピオンにおいて、独特の可愛らしい絵柄と瑞々しい学園青春ストーリーを多数送り出し、多くのファンを魅了した人気作家さんなのです。この一報が流れた後のTwitterを見て、多くの著名人や漫画家さんがこの訃報を取り上げてコメントを残していたことからも、その影響力の大きさはわかると思います。とにかく80年代に少年マンガを読んでいた人なら、知らない人はまずいなかったのではないかと。

■自分も中学1年生の頃に小山田いく先生の「すくらっぷ・ブック」に出会い、自分と同世代の晴ボンやマッキーに心奪われて、少ない小遣いをやりくりしながら少年チャンピオンとコミックスを買い集めるようになりました。それが糸口となった漫画そのものにもはまり、小山田いくネタの投稿目当てにふぁんろーどを購読しはじめ、そこに掲載されていた小山田いくファンクラブ「小山田軍団」の会員募集を目にして、同人誌作りに目覚めたり、同好の友人達と交流するようになり、出版業界で仕事をするようになり……ある意味小山田いく先生とその作品に出会ったからこそ、今の自分があると言っても過言ではありません。自分の人生における心の師匠とも言うべき存在でした。それだけに、59歳という早過ぎる死が本当に悲しいです。

■改めて小山田いく先生の作品を振り返ってみると、単なる青春物にとどまらない先進性があったことに気づかされます。

・主人公達のクラス全員30数名のキャラクターがきっちりと設定され(小山田先生の中学時代のクラスメートがモデル)、そんなクラスメート達にもスポットをあてることで繋がり重なっていく人間関係が織りなす学園群像劇。
・先生ご自身が住まわれていた長野県小諸市を舞台とし、実在する土地の風景が物語のリアリティを深めていく聖地巡礼要素。
・同時期に「バラの進様」「るんるんカンパニー」を連載していたとり・みきをはじめ、同期の連載陣と作中に楽屋落ちネタを織り交ぜてギャグにしていくクロスオーバー要素(回数こそ少ないが、あの手塚治虫まで絡んできたことも)。

今の漫画・アニメなどにも受け継がれているこれらの手法は、80年代前半にはほとんど見られなかったもの。こういった手法の斬新さがあったからこそ、当時中学生だった自分が「この漫画は何かが違う」と感じとり、小山田いく作品を追い続けていくことになったのだと思います。

■漫画編集者になったからには、いつかは小山田先生に原稿依頼をしてみたい……そんな夢を密かに秘めていましたが、それもとうとう叶わぬ夢となってしまいました。でも、今の自分を形作ってくれた多彩な作品に出会わせてくれた事を、今でも感謝しております。心よりご冥福をお祈りいたします。

■小山田いく先生の作品は現在だと復刊ドットコムで選集を購入可能ですので、興味のある人はぜひ読んでみて下さい。おすすめはやはり最初の連載にして代表作の「すくらっぷ・ブック」です。

2016.03.24

「俺達の時代」のクリエイターが語る「魂の直言」に震えろ-『世界を変えるアニメの作り方』(岸誠二・上江洲誠)

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『瀬戸の花嫁』『天体戦士サンレッド』『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』『結城友奈は勇者である』等々、様々な人気作品を世に送り出すアニメ監督・岸誠二氏と、脚本家・上江洲誠氏。その両者がオトナアニメ誌上に4年以上に渡って連載してきた対談をメインに、新たな撮り下ろしインタビューや対談、二人をよく知るアニメスタッフやプロデューサーの証言をまとめたのが、3月28日に洋泉社より発売される『世界を変えるアニメの作り方』です。自分もこの本では音響監督・飯田里樹氏、美術監督・宮越歩氏、フライングドッグのプロデューサー・南健氏のインタビューページの構成を手伝わせていただいた関係で、見本誌を頂き本日読了。少しでも宣伝になれば幸いという事で、ネタバレにならない範囲で書評レビューをさせていただきます。

■上記に作品以外にも様々な作品を手がけている岸・上江洲コンビ。そのジャンルはコメディからシリアス、ゲーム原作からオリジナルと実にバラエティに富んでいるが、そのためか「作家性」と呼ぶべき各作品に共通するテーマは見出し難い。だが、この本を読めばそういった括りでこの二人の作品を捉えるのは間違いだとわかるばずだ。アニメに限らず、多くのクリエイターが「作品」そのもので自己表現を試みているのだとすれば、岸・上江洲コンビは「面白い作品を作る」という目的と志、そして行為そのもので自己表現をしているクリエイターなのだ。
『釣りキチ三平』の矢口高雄が、手塚治虫との出会いと傾倒をきっかけに自らも漫画家を目指す道程を描いた自伝コミック『ボクの手塚治虫』の中で、矢口高雄は手塚治虫なら「漫画とは?」との問いにこう答えただろうと描いている。


「それは「おもしろいこと」の一語に尽きるさ。

「おもしろさ」こそが唯一無二の使命さ!!」


岸・上江洲コンビの作品におけるテーマを言い表すならば、まさにこの言葉なのではないだろうか。

■新たなインタビューの中では、両者が監督・脚本家へと至る半生も語られている。それぞれに波乱の学生時代を過ごしながらも、その中で漫画・アニメ・ゲームにはまり、様々な出会いやチャンスに食らいつきながら作り手側の世界へと飛び込む二人に共通しているのは「ファンの目線を失わない」という点だ。
萌えアニメやゲーム原作アニメの黎明期には、そういうジャンルや原作をよく知らない古株クリエイター達が、従来のアニメの方法論のままに作った微妙な作品も少なくなかった。そして、そんな作品にガッカリさせられるファンの側だった岸・上江洲コンビや、彼らと共に作品作りに関わっていく同世代のスタッフ達は「そういうのをわかっている俺達が、ファンがガッカリしないアニメを作ろう」と決意を固めていく流れが、この本のあちこちで触れられている。それは単にファンに媚びるという類のものではない。「どうすればファンは喜んでくれるか」を念頭に置いて作品を練り込み、それを実現する為の制作体制を整え、プロモーションや情報公開のコントロールにまで気を配っていく。さらに若い世代の子達が共感し、その心に届くアニメを作るために、今の子供達のリアルを徹底的な取材・リサーチで取り込んでいく。自分達と同じ目線で、自分達が見たかった作品を作る両氏は、「俺達の時代」を体現したクリエイターなのだ。

面白い作品を創る事への努力は惜しまず、そうすることで自分達も作品作りを面白く楽しむ…そんな岸・上江洲コンビのスタンスと取り組みについて語られる部分は、各作品本編を見返す際に新たな発見をもたらしてくれるはずだ。

■そして、この本のもう一つの見所が岸・上江洲コンビという「人間の面白さ」だ。特にスタッフやプロデューサー、そして上江洲氏によって遠慮なく語られる岸監督像はかなりひどい部分もあるが、それでも「面白い作品を作る」ことにひたすら力を注ぐ岸監督に惹かれて、共に作品作りに取り組む様子が語られている。パワフルな人間力で周囲を巻き込み、文句を言いながらも力を貸したいと思わせてしまうその様は、まるで『サラリーマン金太郎』等の本宮ひろ志作品の主人公の如し。そして、考えるよりまず動き、色々な人とどんどん関わっていくことで道は開けるという、人生指南の一面もこの本には秘められている。両氏どちらもそのまま見習うにはあまりにハードな生き様だけど、生きていく上での壁にぶつかった時に、それを乗り越えるためのヒントにはなるのではないだろうか。

■よくある作品論・クリエイター論に留まらず、作品のファンなら新たな知識や視点を得られる副読本に、アニメ業界に興味がある人には痛快なノンフィクションに、そして自分を取り巻く様々な状況に悩んでいる人には、それを乗り越えるカンフル剤にと、様々な楽しみ方ができる本となっています。語り口が軽妙なので、さくさく読んで楽しめるのもポイント高いです。ぜひ書店で見かけたら手に取ってみて下さい。

2016.01.15

【BOOK REVIEW】昭和の民族史とプロレス史を体現する一人の男の物語-『真説・長州力』-

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『真説・長州力 1951‐2015』(AA)

■前回の『痛みの価値 馬場全日本「王道プロレス」問題マッチ舞台裏』レビューにも書いたが、子どもの頃の自分にとってのプロレスとは、地元の遊園地にやってくる全日本プロレスの興行がすべてだった。そんな自分がプロレスにのめり込むようになったきっかけは、タイガーマスク(佐山サトル)目当てで弟が見ていた「ワールドプロレスリング」のある試合だった。そのカードは確か長州力 アニマル浜口組VS坂口征二 キラー・カーン組のタッグマッチ。長州と浜口のハイスパートレスリングを坂口が受け止めていく展開の中、キラー・カーンが叛旗を翻して坂口にアンドレ・ザ・ジャイアントの足を折ったダイビング・ニードロップ! そしてリング上で長州達に合流するというエキサイティングな流れに思わずのめり込んでしまっていた。それがファンとして現在に至るまでその戦いを追い続けることとなる長州力との出会いだった。

■あの時代のプロレスをリアルタイムで見ていた人ならわかってもらえると思うが、長州力の存在はアントニオ猪木とジャイアント馬場の二大巨頭がすべてだった日本のプロレスの流れを大きく変えた、正に「革命」だった。序列の下の者が上の者に噛みつき戦いを挑む下克上、息をつかせぬハイスパートレスリング、維新軍団というユニットでの活動や日本人対決、短いセンテンスでインパクトを与えるマイクアピールのセンス、そして独立団体の立ち上げなど、現在のプロレスにおいて当たり前となっている風景を作りあげていったのが長州力だった。もしも長州がいなかったら、今の日本のプロレスは違う姿をしていたのではないだろうか。

■そんな長州力に関する本は今までも色々出ていたが、それらはあくまで「プロレスラーとしての長州力」であり、書き手の視点もプロレスの側からのものだった。それらとは一線を画す、長州力という「人間」の実像を追ったノンフィクションが出たと聞き、発売日に購入して読み始めた。それが田崎健太氏の執筆による『真説・長州力』だった。

この本がこれまでの活字プロレス本とはまったくの別物である事は、帯のテキストにあるこの一文だけでわかる。

本名・郭光雄、通名・吉田光雄

これまでメディアなどではあまり語られることのなかった、長州力の在日朝鮮人という出自を帯に堂々と書いてあるのだ。ヘイトスピーチが社会問題化し、Twitterなどでは「国を愛する普通の日本人」と称する人間が外国人への常軌を逸した呪詛を毎日垂れ流している昨今を考えると、これは長州力本人のみならず、著者の田崎氏にとっても、出版元の集英社にしても、大変勇気の要ることだったと思う。そして、この帯こそが「長州力という人間の生き様を追う」というこの本の決意表明なのではないだろうか。

■この本の面白い所は、プロレスラーや団体関係者のみならず、学生時代の友人・恩師・先輩・後輩、共にミュンヘンオリンピックで戦った別競技の選手、さらには事務所のアルバイトや運転手に至るまで、長州力と関わってきた多くの人達の証言を集めることで、人間としての長州力を浮き彫りにし、その人生を明らかにしていってるという点だ。控えめで実直な性格とレスリングの類い希なる実力で、関わる人全てから愛された「吉田光雄」が、プロレスの世界へと足を踏み入れて「長州力」となってからは、様々な人々の生々しい感情や思惑がぶつかり合う中で慕われることもあれば、殺してやると言わんばかりに憎まれたりもする。かつて長州と深く関わってきた二人のレスラーに至っては、語ることすら拒否されたというほどに。

さらに長州力を語ることで、彼自身のみならず、プロレスという特殊な世界とそこに生きるプロレスラーや団体関係者の生の姿と本音に触れられるのも、この本の面白い所だ。長州力が新日本プロレスを離脱してジャパンプロレスを立ち上げた後でも、アントニオ猪木に対しては尊敬の念を持ち続けていたという証言や、アントニオ猪木が大仁田厚の独特のカリスマ性を危険視して彼を新日本にのマットに上げることに反対していたこと。そしてUWFインターが長州力にその存在意義すらも叩きつぶされたというイデオロギー闘争の過程など、あの時代のプロレスファンなら気になるはずの様々な事件や出来事についても新たな視点が得られるので、興味のある人なら必読だ。

■そして、この本のもう一つの注目点は「長州力」を通した在日朝鮮人の民族史としての側面を備えている点だ。ネット上ではその名称だけで思考停止してしまい、在日特権なるデマや思い込みを声高に叫び罵る哀れな人々があふれているが、実際に彼らはどのように日本で生きてきたのか? 日本人が彼らとどうつきあってきたのか? その点について様々な角度から語られているのだ。

現在と同様のヘイトを言葉や暴力で示す者も存在したが、その一方で国籍や出自よりも「人間」を見る真っ当でおおらかな人々も数多くいたのが、長州力が生きた時代だった。何故当時帰化していなかった「吉田光雄」が国体に出場しレスリング日本一になれたのか? 日本で生まれ育った彼がどうやって韓国代表としてミュンヘンオリンピック出場のチャンスを掴んだのか? すべては「人間」として彼を判断し評価する人々がいたからなのだ。個々の人間を見る前に、国や出自で判断して罵り蔑む自称「国を愛する普通の日本人」があふれる今の時代と比べたら、どちらが真っ当な時代だろうか。その流れで明言こそされていないが、アントニオ猪木が朝鮮半島を新たな活動の場として70年代から目を付けていたことがわかるのも面白い所だ。北朝鮮・平和の祭典に始まり、議員になってからも北朝鮮にこだわる猪木の源流は、ここにあったのかと個人的には面白く感じた部分だった。

■70年代から現在に至るまで、プロレスラーとしてど真ん中をかけ続け、晩年には大きな挫折もあった長州力。彼の「革命戦士」というベールを剥いで、生々しい「人間」としての姿に迫った『真説・長州力』は、長州力という一人の人間の生き様を通して自分の人生をも考えさせられる一冊であると同時に、プロレスそのものの面白さを再認識させてくれる一冊でもあった。リングでの栄光や天下をとることに貪欲な人間達が、それをさらけ出しながらリング内外でぶつかり合う魑魅魍魎の世界が面白くないわけがない。プロレス村の住人でないが故に、慣習に囚われることなく長州力とプロレスの世界に肉迫したこのノンフィクション、間違いなく読み終えた後に世界を見つめる視野を広げてくれる一冊だ。

2016.01.08

【BOOK REVIEW】「痛みの価値 馬場全日本「王道プロレス」問題マッチ舞台裏」

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「痛みの価値 馬場全日本「王道プロレス問題マッチ」舞台裏 (プロレス激活字シリーズvol.1)」(AA)

■タイガーマスクブームや長州力の台頭をリアルタイムで見たのがプロレスファンになるきっかけだったので、自分のプロレスの嗜好の基準はやはり当時の新日本プロレスや、そこから派生したUWF系である。それだけに、全日本プロレスはさほど熱心なファンではなかったというか、長州がジャパンプロレスを立ち上げて新日本を離脱し、全日本に参戦したのをきっかけに見始めたようなものだった。自分にとっての全日本プロレスは、地元遊園地のスケートリンクに興行に来た際に、そこに勤めていた親戚にこっそり入れてもらって観戦するという、牧歌的なお祭り見物のイメージだったのだ(観戦したのは観客席ではなく、スケートリンクを見下ろす位置にあった展望レストランに用意された日本人レスラーの控え室。すぐ近くには近くに葉巻を加えながら試合をチェックするジャイアント馬場が座っていたりとかなり貴重な体験だったのだが、小学校低学年だった当時の自分には、どれだけすごいことか分かっていなかった(^_^;))

■そんなプロレスファンだった自分にとっては、新日仕込みのハイスパートレスリングで全日本の選手を蹂躙していく長州力こそが最強で、それについていけない全日本の選手は野暮ったいとすら思っていた。でも、その後のプロレス界の隆盛を眺めながら歳を重ねていくにつれ、ジャイアント馬場率いる全日本プロレスの価値という物がやっと理解できるようになってきた。「王道プロレス」と呼ばれてきたトラディショナル(伝統的)なプロレスの形がしっかり守られているからこそ、新日本プロレスやUWF、そして数々のインディやデスマッチといった伝統の枠を越えたり外れたプロレスも存在しえたのだと。そういった革新路線が行き詰まったり失敗したりしても、日本のプロレスの保守本流であるジャイアント馬場の全日本プロレスが存在していれば、プロレス自体がなくなるようなことはないと。

その証拠に、ジャイアント馬場とその後継者であるジャンボ鶴田、そして王道を引き継いだ三沢光晴がこの世を去ったことで、「日本のプロレスの土台」といえる全日本の系譜が失われたことで、日本のプロレス全体が斜陽化していったように思える。ブシロード資本となった新日本プロレスが元気を取り戻していると言われているが、プロレスがテレビのゴールデンタイムを席巻していた頃の勢いには到底及ばないし、棚橋やオカダのプロレスも技術やキャラクター演出はすごいのだろうが、凄みや強さの点では全然物足りない。今の新日本がかつての全日本のような「日本のプロレスの土台」になるとは到底思えないのだ。

■そんなジャイアント馬場時代の全日本プロレスも、旧態化した老舗のごとく伝統に固執していたわけではない。伝統の中で何かを変える、伝統そのものを次の段階へと進化させようと奮闘してきた戦いの歴史があった。この本に記されているのはそこに関わってきたレスラー達の物語だ。

長州力が持ち込んだ戦いの激しさを、全日本の伝統に組み込もうとした天龍源一郎と阿修羅・原。

善戦マンと揶揄されながらも、数々の試合で得た経験を無尽蔵に吸い込み成長していった怪物・ジャンボ鶴田。

生きる術を求めてプロレスという新天地へと身を投じた横綱・輪島大士。

様々な形で全日本プロレスという伝統と自分のファイトスタイルの折り合いをつけてきた強豪外国人レスラー。

そして、そんな彼らをいかに全日本のリングで活かしていくかに腐心し続けてきたジャイアント馬場。

アントニオ猪木という猛毒のようなカリスマを巡る確執がすべての中心だった新日本プロレスの戦いとは対照的に、リング上の試合、王道という名の伝統、そして「人間」としての各レスラーの思い……この三つが入り乱れながら繰り広げられてきたのが、全日本プロレスの戦いだったのだろう。そんなレスラー達が織りなす人間ドラマを、週刊プロレスの全日本担当として見つめ続けてきた市瀬氏が当時のプロレス事情や内幕などを絡めつつ、プロレス愛たっぷりに書き綴っている。特に市瀬氏がジャイアント馬場を激怒させたある一言を巡る話や、週刊プロレスと天龍源一郎と全日本の板挟みになっていたというSWS(メガネスーパー)にまつわる話などは、あの時代にプロレスを見ていた人なら絶対に楽しめるはずだ。

■プロレスのスキャンダラスな面ばかりをことさら取り上げるムックがやたら書店で幅を利かせているが、こういったプロレスの良い所も悪い所も等しく取り上げ、清濁併せ呑むところにプロレスの魅力があると分からせてくれる本こそ、プロレスファンが読む価値の一冊ではないだろうか。かつての週刊プロレスが提示した「活字プロレス」という楽しみ方を色濃く継承するシリーズのようなので、同レーベルの続刊にも期待したい。

2014.10.17

『掟上今日子の備忘録』読了

■今月発売号関係のワークも終わり、本屋をのぞくと素敵眼鏡っ子が表紙の新刊が。眼鏡っ子が素晴らしい作品にハズレ無しという世界の真理に従って購入したのが……。

okitegami

掟上今日子の備忘録

西尾維新

1250円+税

■あらゆる事件に巻き込まれ、その都度犯人として疑われる不遇の青年・隠盾厄介。そんな体質ゆえに、常に携帯の電話帳には様々な「探偵」の連絡先が書き込まれている彼が、もっとも頼りにしているのが、忘却探偵・掟上今日子。記憶が一日しか保たない(寝て起きると全てを忘れる)ゆえに、依頼を受けた事件はほぼ一日で解決する彼女と、彼女にほのかな想いを抱きつつも、合う都度忘れられることに悲しい思いをするハメになる厄介が遭遇する奇妙な事件と、それにともなう優しい物語が描かれるのが本作。

■「記憶が保たない」ハンデを背負いながら事件に挑むという設定だけだと、クリストファー・ノーランの映画『メメント』を思い出す人は多いけど、必死に記憶にすがりながら事件に挑む『メメント』とは逆に、「忘れる」ことを探偵としての武器にし、それを独自のヒロイン性につなげるあたりは、さすが西尾維新という感じで面白い。そして何より、厄介の視点で語られる今日子さんの可愛らしさが実に甘酸っぱい感じでいいのですよ。ミステリの皮を被った恋愛小説とでもいうべき一篇かと。

■とはいいつつも、随所に「探偵小説」らしさが色々盛り込まれているのもツボでした。特に読んでいると誰もが気になるであろうある一点について、最後の最後で「そうきたかー」と思わせるオチがつくあたりはやられました。確かにこれは探偵小説の「王道」。

■あと注目ポイントは装丁でしょうか。本文ページやカバーを取ると露わになる「備忘録」というコンセプトを盛り込んだ装丁は、やはりリアルの本じゃないと味わえないかと。作者初の電子書籍版でも別の仕掛けがあるかも知れないけど、やはり個人的には紙の本で楽しみたい一作かと。何はともあれ、今日子さんが実に魅力あふれる眼鏡ヒロインなので、眼鏡クラスタなら是が非でも読むべき新刊だと思いますよ!

『ガールズ&パンツァー モデリングブック2』11月4日発売です!

■遅くなってしまいましたが、8月のコミックマーケット86にて、当スペースに足を運んでいただいた皆様、どうもありがとうございました! おかげさまで新刊『戦車道の空に笑え!』もたくさんの方に手にとっていただき、感謝しております。でも、まだまだ在庫有りますので(^_^;)、よろしければCOMIC ZINの委託&通販の方でもよろしくお願いいたします! 現在関西地方で再放送中の『戦国乙女 桃色パラドックス』について大真面目に語り尽くした『超読解 戦国乙女 桃色パラドックス読本』なんてのもありますので、再放送ではまられた方はぜひ!

■で、いまさらこんな更新をしているのも、8月~9月にかけてちょっとした大仕事に専念していたためでして。それがようやく形になりましたので、告知です!

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ガールズ&パンツァーモデリングブック2

発行:大日本絵画 著者:けんたろう

11月4日発売 定価:3000円+税

自分もガルパン戦車を作る際の参考書としてお世話になった、『ガールズ&パンツァー モデリングブック』の第2弾に、まさか自分が関わる事になるとは(^_^;)。去年からあちこちの雑誌などでやらせていただいているガルパン仕事の流れで、今回は諸々の編纂作業と、幕間のコラムや設定解説ページなどを色々と手がけさせてもらいました。

ファインモールドの八九式中戦車 甲型・アヒルさんチームVer.の徹底工作ガイドをメインに、「デカール貼り」「初歩の改造」「劇中仕様徹底再現」の各テーマにそったルノーB1bis、ポルシェティーガー、Ⅳ号戦車D型改・F2型仕様の作例解説を掲載。初心者はもちろん、作り馴れてきたのでステップアップしてみたいという人にも役立つ内容となっています。劇中仕様を確認するための各車輌の設定資料や、フィギュア製作に挑戦したい人用の各車乗員設定資料もまとめてあるので、製作の際の副読本として役に立つ内容になったと思います。

『これが本当のアンツィオ戦です!』で再び戦車模型熱に火が付いた人用に、カルロ・ベローチェの製作記事ものっていますので、ぜひともガルパン戦車作りに役立てていただければ幸いです!

2014.05.29

遅ればせながら「セーラー服と戦車道Ⅱ」にいらっしゃっていただいた皆様に感謝&明日発売のオトナアニメVOl.34告知

■ゴールデンウィーク明けに色々細かい仕事が舞い込んだりしたために、5月4日に大洗にて開催された「セーラー服と戦車道Ⅱ」の参加報告が遅れてしまい、申し訳ありませんでしたm(__)m

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当日は既刊のみでの参加でしたが、多くの方に足を運んでいただき、無事に完売となりました。これで「FUN TO PANZER」「昨日「大洗で」何食べた?」共に、COMIC ZINへの委託分のみとなりました……さすがに三刷は怖い気がするので、再版は未定です。ご要望があれば再版もあるかもですが。

■サークル入場前には、マリンタワー前で開催されていたフリーマーケットを散策し、こんなものをゲット。

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『装甲騎兵ボトムズ』の絵本に『UFOロボグレンダイザー』大百科、そしてピットロード製1/144『戦国自衛隊1549』仕様90式戦車で、総計2000円となかなかのお買い得。

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ボトムズ絵本は内容もなかなか凄くて買った価値はありました。イベントでも置いておいて、読んでいく人みんなにウケたので、十分元は取れましたわ(笑)。

■で、ガルパン×大洗のレポート連載「『ガールズ&パンツァー』独立後方支援隊 出撃録!」の第3回が掲載されている「オトナアニメ」VOL.34が明日発売となります!

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今回は年明け~4月頭あたりまでの大洗の様子を色々レポートさせていただいてますので、ぜひとも読んでやってください! 原稿料がすべて大洗で消し飛ぶ程頑張っておりますゆえ(^_^;) ああ…来週は丸山荘(大勘荘)に泊まって、秋山殿誕生日イベントと髭釜商店街イベントのハシゴでございますよ(^_^;)

2013.11.27

大洗道な連載、始まります!

■今日は急ぎの仕事も無かったので、夕方から東京モーターショウ2013へ行ってきました。目当ては当然、三菱自動車ブースの『ガールズ&パンツァー』コラボ企画「自動車道 三菱流」を体験すること。アプリの出来も西住殿のARコンパニオンぶりもなかなかのもので、実に楽しかったですわ。

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アプリ単体でも西住殿の3Dモデルを使って色々遊べるARカメラになるので、対応スマホをもっている人はアプリをインストールする価値アリかと。

■で、今回の更新のメインはこちら。

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本日発売のオトナアニメVol.32(AA)にて、ガルパンと大洗のコラボやイベントを追っかけていく体感レポート連載「『ガールズ&パンツァー』独立後方支援隊 出撃録!」のやらせていただくこととなりました!

あんまり年がら年中大洗に行っていたのがきっかけで、このような企画をやらせていただくことに……本当にオトナアニメ編集部様には大感謝です!

今回は9月~11月までのイベントから「茨城空港スタンプラリー」「大洗消防団優勝パレード」「サスガ☆カミスガ」「大勘荘宿泊」「西住みほ誕生会」「杉山プロデューサー講演会」「商工会感謝祭」を取り上げています。あんこう祭りは〆切間際だったので速報のみとなっていますが、こちらは次回がっつり取り上げます。

大洗の町がガルパンから元気をもらったように、自分も大洗という町に通うようになって、癒されたり元気をもらいました(諸々の事情で仕事がカラッケツになってた時期は、本当に大洗に行くことだけが生きる支え状態でしたし……)。その感謝の念も込めて、より多くのガルパンファンに大洗を訪ねる楽しさを知ってもらい、大洗のファンになってもらえるようガンバリたいと思いますので、ぜひとも読んでいただければうれしいです。

2013.08.23

夏コミおつかれさまでした!&本日発売のオトナアニメVol.31に大洗について書きました!

■連日記録的な猛暑の中で行われたコミックマーケット84……参加された皆様、本当にお疲れさまでした。

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東館には天井付近に「コミケ雲」と呼ばれる霞が……本当にいつもの夏コミ以上に水分補給が必要な状況でしたし、サークル参加した二日目は体力削られまくってほとんど自分のスペースから動けず……西館の方に足を運べなかったのが残念でした。

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そして二日目に当スペースに足を運んでいただいた皆様、どうもありがとうございました! おかげさまで新刊『FUN TO PANZER!』『戦車乗りと恋するための戦闘教義』も好評だったようで一安心しました。某ガルパンスレの住人の方々も遊びに来ていただき、楽しかったです。

■新刊は二種類共にCOMIC ZINにて委託&通販中ですので、どうぞよろしくお願いいたします。嬉しいことにたびたび品切れになることも。在庫の方はまだまだあるので(^_^;)、順次追加させていただいてますので、品切れの際もしばらくお待ちいただければ購入可能です。

COMIC ZIN・私立歯車高校通販ページ

■そんなこんなでガルパンと大洗にハマりまくっていたここ半年強ですが、その甲斐あって本日発売のオトナアニメVol.31の「アニメの場所に行ってみよう2013」特集『ガールズ&パンツァー』パート内にて、「それでも俺は今週も大洗町に行く!」という見開きコラムを書かせていただきました。

 

「ガルパンファンは何故大洗に足を運び、かなりの確率で熱心なリピーターになっていくのか?」について、 年明けから数えて累計14回も足を運んでしまった実体験をベースに、ガルパンと大洗の関わりの楽しさや町を巡る気持ちよさなどについて、思うがままに書き綴ってみました。

特集自体も密度の濃い大洗巡礼ガイドや、まいわい市場/クックファン代表・常盤良彦氏の最新インタビューなど読みごたえのある内容なので、ガルパンファンならぜひともチェックしてほしいです。

■などと書いているうちにも、久々に大洗行きたい欲がムズムズと……というわけで、今度の日曜日の八朔祭に合わせて一ヶ月ぶりに大洗行ってくる予定! できれば海水浴場が閉まる前にもう一泳ぎしたかったんですが(^_^;)