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IKEA古民家イベント

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    11月6~9日に、上野桜木町の古民家・市田邸でおこなわれた、IKEA新三郷オープン記念イベントと、その後に歩いた不忍池界隈の写真です。 イベントは和の家にどうIKEAの北欧デザイン家具を組み合わせるのかを見せてくれた、なかなか面白いイベントでした。

『けいおん!』聖地巡り・その1 豊郷への道のり

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    9/2~3と滋賀と京都の『けいおん!』ゆかりの場所を巡ってきた記録です。 まずは校舎のモデルになった豊郷小学校・旧校舎のある滋賀県豊郷町へ向かう道すがらの色々をば。

『けいおん!』聖地巡り・その2 豊郷小学校・旧校舎

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    9/2~3と滋賀と京都の『けいおん!』ゆかりの場所を巡ってきた記録です。 続いてはアニメの再現度がよくわかる実際の豊郷小学校・旧校舎を。

『けいおん!』聖地巡り・その3 けいおん!inリアル

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    9/2~3と滋賀と京都の『けいおん!』ゆかりの場所を巡ってきた記録です。 こちらは旧校舎に開設された観光案内所を彩るファンの持ち寄ったグッズや「トンちゃんパン」「巡礼記念キーホルダー」などの記念グッズ、せっかくなのでドールを持ち込んで撮ってみた写真など色々ですw

『けいおん!』聖地巡り・その4 京都市内あちこち

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    9/2~3にかけて滋賀・京都の『けいおん!』にちなんだ場所を巡った旅の記録です。こちらは9/3に京都市内のあちこちを見て回った時の写真で、『けいおん!』だけでなく『四畳半神話体系』『ネイチャージモン』も混じったりしてますw

らきすたの街・鷲宮 20081109

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    ロングドライブの練習がてら、地元より来るまで40分ほどの埼玉県・鷲宮町に行ってきました。そこで撮った写真を色々と。

映画・テレビ

2023.11.03

『ウマ娘 プリティーダービー』Season3・第5話/「敗北」から始まる新たな物語

■前回のエントリーで書いたリアルサウンド映画部での『ウマ娘 プリティーダービー』Season3のコラムですが、実は勢いでプロットを書いた第5話についてのレビューコラムもあるのです。そっちは掲載とはならなかったのですが、プロットを転用しても良いと許可をもらいましたので、コラムに仕上げてしまいました。商用原稿のつもりだったのであまりくだけていませんが、よろしければ読んでやってください。

『ウマ娘 プリティーダービー』Season3・第5話/キタサンブラック&ドゥラメンテまさかの敗北…そんな「敗北」から始まる新たな物語

第4話でミホノブルボン&ライスシャワーという先輩達との特訓で、己の持ち味であるタフで頑丈な己の身体に磨きを掛け、親友・サトノダイヤモンドの負けても挫けない強靱なメンタルに元気をもらったキタサンブラック。尊敬するトウカイテイオーも届かなかった日本最長G1レースである天皇賞・春を見事に逃げ切って制覇。

そんな彼女が次に挑むレースは夏のグランプリ・宝塚記念。そしてその前に立ちはだかるのは乗り越えるべきライバル・ドゥラメンテ。怪我から復帰した彼女がやり残したことは出走できなかった菊花賞を制したウマ娘を倒し、最大の目標である凱旋門賞を目指すというものだった。
そんなドゥラメンテは「レースの勝利」にしか興味が無く、菊花賞ウマ娘であるキタサンブラックだけでなく、他のウマ娘もまったく眼中になかった。そのことを目の前で知らされたキタサンブラックは、成長した自分の全てをかけてドゥラメンテを下して宝塚記念を勝とうと闘志を燃やす。だが、そんな二人を待っていたのは思わぬ伏兵によってもたらされた「敗北」だった。

冒頭にはサトノダイヤモンドが日本ダービーに挑むも、ゴール間際での競り合いに負けて僅差2着という結果に。その敗北をもたらしたのはシューズの蹄鉄の落鉄というアクシデント…「サトノのウマ娘はG1で勝てない」というジンクスが彼女だけでなく、同じサトノのウマ娘であるサトノクラウンの心にも暗い影を落とす。

そう、第5話のテーマはウマ娘たちが走る以上は避けては通れない「敗北」だ。

■ベースとなっている2016年の宝塚記念と同じ結果と展開ではあるが、『ウマ娘』においてそれを招いたのはキタサンブラックとドゥラメンテの「強者ゆえの驕り」だ。

自分の勝利は世界最高峰のG1レース・凱旋門賞への過程に過ぎないと語り、共にレースを走るウマ娘など眼中になかったドゥラメンテ
そしてライバルどころか気にもとめられていなかった憤りから、打倒ドゥラメンテに心を奪われていたキタサンブラックも、やはり他の相手のことは気にもとめていなかった。
誰もが「勝ちたい」と思って走っているウマ娘のレースに「絶対」は無い。Season1でも怪我からのリハビリ中のサイレンススズカにばかり気を取られていたスペシャルウィークは、自分との勝負に全身全霊を込めていたグラスワンダーの執念に気付かずに、奇しくも同じ宝塚記念で敗北を喫した。
特定の相手を意識するあまりにレース自体を意識しなかった、キタサンブラックとドゥラメンテの「慢心」が、二人に敗北という結果をもたらすことになる。

今回キタサンブラックとドゥラメンテを破ったウマ娘・リバーライト。そのモデルとなった競走馬は、2015年にエリザベス女王杯を制するなどコンスタンスに勝利を重ねていた牝馬マリアライトだ。劇中でキタサンブラックが抜かされる際に「誰ー?」と言っていたが、一年上の先輩な上に牝馬がモデルのウマ娘が挑むトリプルティアラ路線を進んでいたウマ娘ゆえに交わる機会がまったくなかったためか。それとも自分に迫ってくるような相手はドゥラメンテだけだろうと確信していたが故か。

クラシックの時期には馬体重が400キロちょいと身体が十分に出来ていなかったマリアライト。それゆえに陣営は無理に牝馬三冠路線へ挑まずに、じっくりと身体を育てる方針を取ったという。その結果、2015年秋には馬体重が430キロまで増えて、その年のエリザベス女王杯を制するという結果を出した。

そしてマリアライトの騎手を務めていたのは、TVアニメ第1期でスペシャルウィークのライバルとして立ちはだかったエルコンドルパサーと共に凱旋門賞に挑み、他のウマ娘になった競走馬ではマンハッタンカフェやナカヤマフェスタにも騎乗した名手・蛯名正義だ。

【宝塚記念】16年のマリアライト 勝因は本番のみにあらず(スポニチアネックス)

この記事によれば、実際のレースではマリアライト&蛯名正義は稍重の馬場状態を考えて、多少のコースロスをしても綺麗な所を走らせて脚を溜めてる作戦でレースを進めている。その結果、最終直線で他の馬が走りあぐねる中で力強い伸びを見せて、本命視されていたキタサンブラックとドゥラメンテを振り切って勝利。馬のコンディションを活かす名手の腕が掴ませた勝利だったのだ。

カンテレ競馬【公式】「祭りでも、怪物でもない、牝馬のマリアライト」【宝塚記念2016】(YouTube)

第5話のレースを見返すと、そんな走りがアニメでもしっかり再現されている。他のウマ娘たちがコース内側で勝負をし、力の入る馬場状態にも拘わらずハイペースの展開で疲弊する中、リバーライトはドゥラメンテの斜め前方でポジションキープしながらレースを展開。後方集団にドゥラメンテを封じ込みながら自分が走りやすいポジションをキープするという作戦だ。
これが功を奏し、リバーライトは絶好の形で第4コーナーから最終直線へ入っている。そのためドゥラメンテは焦りを見せながら加速をかけてしまい、これが最後の脚の故障の再発に繋がってしまう。そして最後の競り合いでも、必死な様子のキタサン&ドゥラメンテと比べて表情に余裕を残しながらリバーライトが伸びて勝利という流れがしっかり描かれている。実力の差は運や戦術で覆せるというウマ娘のレースならではの駆け引きが描かれた勝利だった。

■普通のスポーツアニメなら、主人公の劇的な勝利やライバルに対する敗北で物語を紡いでいく。だが『ウマ娘 プリティーダービー』は、実際の競馬で刻まれたレース結果を遵守するというルールがある(Cygames展での『ウマ娘』コーナーの解説では、プレイヤーが介入できるゲームの場合や、競走馬が悲劇的な結末を迎えた場合の救済の場合はif展開はありうるとしている。Season1でエルコンドルパサーが日本ダービーをスペシャルウィークと同着になったり、サイレンススズカの「沈黙の日曜日」の舞台となった天皇賞・秋を制するといったif展開については、当時存在した外国産馬はクラシック三冠と天皇賞を走れないという制限がウマ娘にはそぐわないためだと思われる)。そのため、今回のような主人公とライバルが伏兵に敗北するというまさかの展開も描かれるのだ。

しかし2022年のG1レースで一番人気の負けが15回も続いたように、まさかの本命敗北展開もある意味競馬の面白さである。そんな競馬における勝負のままならなさと、それゆえの面白さを見せながらも、『ウマ娘』らしいドラマへと昇華してくれたのが今回の第5話だったのではないだろうか。

そしてキタサンブラックとドゥラメンテばかりに目が行きがちだが、実はサウンズオブアース以外の主要キャラのほとんどがレースを走り、そして全員敗北を喫したというのも第5話の隠れたポイントだ。実際の競馬ではこの時の故障でドゥラメンテが引退することとなり、キタサンブラックはその強さを本格開化させてG1レースで勝利を重ねていく。そんなキタサンブラックに数少ない黒星をつけるのがシュヴァルグラン、サトノクラウン、そしてサトノダイヤモンドだ。世代の絶対王者となっていくキタサンブラックを超えるために彼女たちは「キミに勝ちたい」という気持ちをどう爆発させるのか、そしてウマ娘のドゥラメンテはどういう運命を辿るのか? 今後も次回への興味が尽きない展開となりそうだ。

2023.10.09

【夢で見た】『ウマ娘 プリティーダービー』TVアニメ第3期のこれからの展開【妄想です】

■三連休初日の土曜日は午前に市内の保育園の運動会撮影、午後からは夜まで秋葉原のMOGRAで開催されたアニソンDJイベント「アニメソングの可能性」Vol.2の撮影と終始撮影三昧。合計9時間で7500枚近く写真を撮りまくるという、なかなかないハードワークでございました(^_^;)

■そんなわけで残り2日は写真の整理と休息のみで費やすことに。そしてちょっと昼寝をしている時に夢で見たのが『ウマ娘 プリティーダービー』TVアニメ第3期のエピソード! きっちりアニメ映像で再生されてたので、起きてから思わずメモしてツイート。せっかくなんでまとめたものも残しておこうかと。

・学園内を視察する就任したばかりの理事長・秋川やよい。元気なウマ娘達の姿に自身も興が乗って思わずターフを走り出す。帽子が取れて、その下からウマ耳が露わになるが見えても気にしない。※理事長・秋川やよいのデザインモチーフは名種牡馬ノーザーンテーストではないかと噂されている。
・前理事長は他界したためにやよいが後を継いだらしく、まだ子どもである新理事長の側につく学園スタッフは数えるほど。やよい自身も「子どものいうことを真剣に聞く大人などおるまいよ」と嘯く。
・そんな彼女を支える理事長派の古株スタッフの40~50代男性・矢野。どうも理事長の形式上の婚約者らしく、秘書の駿川たづなから「早く理事長と結婚して支えてあげて」と急かされるが、当人はそんな気は無い様子。
・そんな矢野から「あんたももう戻っていいんじゃないか」と言われるたづな。帽子を取るとやはりそこにはウマ耳が。※駿川たづなのデザインモチーフではと噂されているのは1950~51年に活躍した無敗の二冠馬トキノミノル。日本ダービー後に破傷風で急逝したため「幻の馬」とも呼ばれている。
・そんな理事長派が主導権を握るべく、香港から「香港ヴァーズの鬼」と呼ばれるウマ娘をトレセン学園へと招聘しようとしているようだが?

ここまでで目が覚めたわけですが……なんだろうか、これは(^_^;) あくまでも夢ですので誤解無きよう。

■先週からスタートした本当に『ウマ娘 プリティーダービー』TVアニメ第3期は、キタサンブラックが徹底的に打ちのめされて終わっていたり、新たなウマ娘として登場したドゥラメンテに浮かれる一部のアレなファンがキタサンブラックを曇らせるのを喜々として楽しんでる姿に嫌気がさしたりで(その手の輩はここから成功するんだからあくまでネタとして楽しんでるだけと言ってるようですが、それが誰にでも通用するわけではないので)、過去のアニメシリーズと比べると個人的には低調なスタート……まあ作品に罪はないのでここからどう巻き返してくれるかを楽しみにしていますが。

2023.09.25

久能整=金田一耕助?な映画『ミステリと言う勿れ』見てきました

■告知関係などはもっぱらTwitterメインになってしまい、こちらはしばらく放置状態でしたが、そろそろまた仕事や同人誌以外でのまとまったテキストを書きたい欲が甦ってきたので、ぼちぼち再開しようかと。担当者の退職や企画の突然の終了などが重なって、メインの仕事が何本か無くなってしまったので時間を持て余す日が多いというのも大きな理由ですが(^_^;)

■最近の名前が出るお仕事だと、イープラスのWebメディア・SPICEでのライブ&イベントレポートをコンスタンスにやっておりますので、よければ以下のリンクより読んでやってください。最新のものは9月16~17日に名古屋で開催された「ウマ娘 プリティーダービー 5th EVENT ARENA TOUR GO BEYOND -GAZE-」レポートとなっております。

https://spice.eplus.jp/articles/search?keywords%5B%5D=%E6%96%89%E8%97%A4%E7%9B%B4%E6%A8%B9

■仕事が減って自由に動ける時間が不本意ながら増えてしまったので、これを機に色々とインプットする時間として使うことに。まずは気になった映画はジャンル問わず積極的に見に行くことにして、この週末も劇場に足を運んで2本鑑賞。

『ミステリと言う勿れ』2023/09/22 ユナイテッドシネマ浦和にて
公式サイト

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原作はコミックスは全巻揃えているくらいハマっていて、フジテレビのドラマ版も気になるアレンジはあるものの(女性刑事の風呂光が久能整に恋愛感情?を抱いてるような描写とか)、原作のキモは外すことなく丁寧に映像化していたので、今回の映画版もまずは大丈夫だろうと信頼して劇場へ。

今回の映画の原作は通称「広島編」と呼ばれている、地方の旧家を舞台にした遺産相続の争いと過去の因習を巡る事件が描かれる、横溝正史の「金田一耕助」オマージュ的なエピソード。それが実在の旧家・庭園・倉など、実在する建物・風景の中で描かれることで、ドラマとは雰囲気の違う本家「金田一」シリーズのような緊迫感とリアリティが漂う映像になっていたのが面白かったですわ。主人公がどちらもモジャモジャ頭だったり、ドラマ版『犬神家の一族』(フジテレビ版&NHK版)で犬神家の屋敷として使われていた岡山県倉敷市・旧野﨑亭を狩集家の屋敷として使ったり(※公式サイトのプロダクションノートより)と、製作陣は今作を令和リファイン版『金田一耕助』に見立てていたのかなとも思ったり。

あと映画を観た後に改めて原作を読み返して気付いたのが、丁寧な原作エピソードの再構築。「広島編」はコミックス1巻分+2話という長編エピソードなので、現実の地形や風景に縛られないマンガならではのトリックがあったり、狩集家の相続人候補それぞれが久能との対話で心を解きほぐされるシーンがあったんですが、映画では久能と今作のヒロイン・汐路の関係性に的を絞った構成に。おかげで人間ドラマパートは様々な闇を抱え込まされてしまっている汐路を、久能や大人である他の相続者三人が支えるという構図が鮮明になって、ストーリーに没入しやすくなっていたなと。
あと久能と他の相続人候補の対話では、柴咲コウ演じる専業主婦のゆらが、久能によって周囲から押しつけられる「主婦の役割」という鎖から解き放たれ、「娘を守る母親」として事件に向き合う覚悟を決めるシーンは残されていたのも良かった。口さがない輩は「ポリコレが-フェミがー」とか言いそうだけど(何故か久能整のトークに対してそういうイチャモンつけてる輩をよく見かけるんで)、今回の謎の根底にあるのが「役割に人が縛られる」なので、そこを際だたせる何気ないけど重要なシーンだったなと。

テレビドラマの劇場版となると、単なるテレビスペシャルになりがちなものも多いけど、『ミステリと言う勿れ』はちゃんと映画だからこそできるスケール感のあるロケ撮影や、映画の尺だからこそできるちょうどいい塩梅のストーリー構成、実力派が揃ったキャスティングなど、原作&ドラマ版のファンはもちろん、初見の人でも楽しめる仕上がりとなっているので、現在公開中の作品で何かいい映画が観たいという人にも勧めたい一本で大満足でした。

2020.09.26

「ネットラジオ録音X2」を使ってみた

■以前からネットラジオの録音ソフトとして使ってきたのがLODESTARの「ネットラジオ録音X」だったのですが、昨年暮れにメインマシンのVAIO ZのSSDが物理的にクラッシュして、運悪くライセンスキーのメールをバックアップし忘れていて、新たに購入しないとソフトを再インストールしても使えなくなるハメにorz
 それから今日まではradikoでのリアルタイム&タイムシフト視聴をメインにしていたのですが、先日の「爆笑問題カーボーイ」での太田光&伊集院光回のような伝説級の放送があったり、11月23日にはNHK-FMで「今日は一日アイマス三昧」の放送もあるので、そろそろ録音環境を再整備することに。
 それで何とかライセンスキーの再発行が出来ないものかとサイトにアクセスしたところ、新バージョンの「ネットラジオ録音X2」https://netradio-rokuon.com/がリリースされていたのを発見。せっかくなんでこちらに乗り越えてみようとダウンロードして試してみることに。

■3日間フル昨日利用できる無料版のダウンロードとインストールは特に問題なく終了。これで録音を色々試してみて、うまく動くようなら正式に導入ということで試用開始。

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ソフトを立ち上げるとシンプルな番組表が。左上の利用サービス名をクリックすれば「radiko」とNHKの「らじる☆らじる」の切り替えが可能。「radiko」の時に右上のカレンダーをクリックして日にちを選択すればタイムシフトにカンタンに切り替わります。

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まずはradikoタイムシフトの録音にチャレンジ。日曜日に放送された文化放送「水城奈々のスマイルギャング」を選択して録音……あっという間に録音完了してしまい、逆にうまくいかなかったのかと何回も操作して録音しまくってしまうハメに(^_^;)

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続いて長時間番組はどうだろうかと、二時間番組となるTBSラジオ「伊集院光 深夜の馬鹿力」を選択したところ約30秒で録音完了。ネットの回線速度にもよるけど、光回線などを利用しているなら恐ろしいくらい手軽に番組録音が可能です。ファイル名や番組のメタ情報も自動で割り当ててくれるのでファイル管理の手間も入らず。

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好みのファイル形式やビットレートでのファイル保存や、iTunesへのエクスポートも簡単なので、スマホでデータを活用するのも簡単そう。

■タイムシフトでは問題ないので、続いては番組を予約してのリアルタイム録音を試すことに。

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その前にまずはPCの電力設定で録音中にPCがスリープにならないようセッティング。Windows10なら、タスクバーの電源アイコンを右クリックして「電源オプション」を呼び出し。「詳細な電源設定の変更」からスリープ設定を選び、電源接続時のスリープ処理をすべて無効としておくように。自分もこれを忘れて「今日は一日ラブライブ!三昧」の録音を失敗したことが……orz

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番組表を「らじる☆らじる」に変更して、放送開始間近だったNHK-FM「邦楽のひととき」と、朝10時からの「THE ALFEE 終わらない夢」を予約。「邦楽のひととき」の録音が無事に始まったので、そのまま放置してベッドに入ることに。

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昼頃に目覚めると、PCもスリープになっておらず無事に録音完了。データも問題なかったので、これで安心して11月の「アイマス三昧」放送を待つのみとなったので、「ネットラジオ録音X2」正式導入させていただきます!

■動作も軽く操作もシンプルで録音データの管理運用も簡単。そして値段もリーズナブルなので、データをきっちり管理してライブラリを作りたい人にはぜひオススメしたいネットラジオレコーダーソフトです。1ライセンスで3台のウインドウズマシンまたはMacにインストールできて、今なら通常版2980円/乗換・バージョンアップ版1980円の特価販売になっているので、「今日は一日アイマス三昧」を録音しておきたいプロデューサーなら絶対にマストバイです!

 

2019.01.13

最近のお仕事&劇場版『ラブライブ!サンシャイン!!』雑感

■新年あけましておめでとうございます。昨年末のコミックマーケット95では新刊『Turf of Dreams! 02』もほぼ完売しまして、足を運んでいただいた皆様には感謝です。年明け早々色々引き落とし後の預金残高を見て割とガチで首を吊りたくなる心境ですが、こういう嬉しいことがあるうちはまだがんばって生きていけるかなと……。新刊はただいまCOMIC ZINにて委託&通販中ですので、こちらもどうぞよろしくお願いいたします!

■新年早々に取材仕事をいただけたので、まずは現在開催中のイベント関連のものを。

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日本全国の祭りとグルメが東京ドームに集結する『ふるさと祭り東京2019』いよいよ開幕!!

現在東京ドームで開催中のグルメと祭りを楽しむイベント『ふるさと祭り東京2019』のレポート記事を書かせていただきました。食レポ部分はちゃっと実食したものです。本当に美味い物が色々揃っていますし、個人的には群馬のご当地イタリアン「シャンゴ」のシャンゴ風パスタが食べられる高崎市のブースがオススメです。取材日にはまだ食べられなかったので、これを食べるためにプライベートでイベントに行きたいぐらいです(^_^;)

イベントは1月20日までなので、美味い物をがっつり食べてみたい人はぜひ足を運んで見て下さい。

■昨年歌の方からAqoursを知って、取材などでライブに足を運ばせてもらったことで遅ればせながらドハマリし、順番的には逆ですがいまアニメ本編を追いかけている最中の『ラブライブ!サンシャイン!!』。そんな駆け出しファンですが、見ないわけには行かないだろうという事で……。

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行かせていただきました
『ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow 』!

初週は新宿ピカデリー、二週目はちょうど原稿回収仕事で車で移動だったのでMOVIX三郷へ。

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二週目にも足を運んだのは、上映前のポートレート撮影コーナーのホストが一番気に入ってるヨハネas津島善子だと聞いたので……前週のホストが次週のポートレート担当というパターンなら、三週目のポートレートがヨハネなんだろうか? ならばまた行くしかないのですけど(^_^;)

自分はこのポートレートサービス自体が初体験だったけど、ファンサービスというだけでなく自然な形で携帯・スマホの電源を切らせて仕舞ってもらうダメ押しでもあるんですね……こういうのはアニメならではの強みだなと。

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二週目の入場特典色紙も無事に確保。三週目が一年生ならヨハネゲットのチャンスもあって一石二鳥なんですが。さすがにヨハネが出るまで通い詰める時間とお金はさそうだしorz

■そんな『ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow』ですが、見る前に知り合いのライターがちょっと酷評というか微妙な評価をしていたのが気になってたのですが……自分が見た感想は「映画として微妙というのは確かにわかる……でも『ラブライブ!サンシャイン!!』としては楽しいから正解なんじゃなかろうか」というところでしょうか。

今回の物語を貫いているテーマをあげるならば「別れを経てからの自立と再出発(リスタート)」。、それが「Aqours」「SaintSnow」「浦の星女学院」「小原母子」という4つのファクターで描かれており、普通の映画なら各々のドラマが様々な形で絡み合いながら大きな流れになって、クライマックスへと雪崩れ込むという構成になるのが定番なのだけど、この映画はそれらがあまり深く絡まないまま物語が進んでいってしまう。それぞれが抱えた問題も流れの中で割とあっさり解決してしまうし、結果として一番ドラマ的な盛り上がりを見せるのがライバルであるSaintSnow絡みのエピソードということになってしまっているので、それゆえに「微妙」という評価が出るのも仕方無いのかなと。

でも、『ラブライブ!サンシャイン!!』という作品として見た場合、テレビシリーズ自体がAqoursにとっての最大の冒険物語だったわけで、今回の映画が冒険を終えたAqoursの新たな旅立ちという「序章」的な性格を持つ以上、テレビ以上の冒険を用意しづらいという面もあるのではと。『ガールズ&パンツァー』が「優勝したら廃校は回避と言ったが……あれはウソだ」という掟破り過ぎる展開で劇場版を成立させていたけど、同じような事を『ラブライブ!サンシャイン!!』でやったら作品観じたいが崩壊しかねないだろうと……まあ「統合したら学校が緩くなりそうだから、浦の星は当分分校扱いね」という発端は「だったら最初から統廃合とか言わなくても良かったんじゃ?」的なギリギリ感はありましたが(^_^;)。

映画的な盛り上がりは今ひとつという見方もある『Over the Rainbow』けど、その反面『ラブライブ!サンシャイン!!』らしい楽しさは全編にたっぷり詰まっていた。色々悩みはあるけれど、それでも前向きに動き続けてがんばるテレビシリーズ後のAqoursという、ファンが一番見たかったものをきっちりと描き、それぞれの明るい未来の可能性を見られることが、今回の映画の一番の魅力ではないかと。

『ラブライブ!The School Idol Movie』はμ's完結の物語だったけど、『ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow』はAqoursが新たに歩み出す未完(蜜柑)の物語。これからも様々な形でAqoursに会える事を指し示したことが、何よりも嬉しい作品なんだろうと。

見ていて何とも心地よいし、ヨハネが輝きまくってることですし、自分も早くテレビシリーズ完走してから腰を据えてもう一度見たい作品です。少なくともヨハネのポートレート週と1年生組の色紙配布週は見に行かねばなるまいて(^_^;)

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MOVIX三郷のロビーにて撮影。平日レイトの時間帯だったのでじっくり撮影できましたわ(^_^;)

2018.11.12

ドラマ『昭和元禄落語心中』に漫画・アニメの実写化企画が目指すべき形を思う

■企画が発表される度に「イメージが崩れる」「原作レイプだ」「原作ファンのために作るわけじゃないからこれでいいのだ」等々と論争の火種となるのが、国内における漫画・アニメの「実写化」作品。TV局や映画会社には原作の知名度をそのまま集客に活かして若い客層を開拓できるという利点があり、最近特に多い恋愛系少女マンガの実写映画化の場合は売り出したいアイドル/若手女優の映画を作るという前提の下、ちょうどいいネタとして少女マンガが選ばれやすいといった側面もあるとのこと(『皆殺し映画通信 天下御免』収録の柳下毅一郎氏と古澤健監督の対談より)。

こういった背景から見えてくるのは、漫画・アニメ実写化作品の多くは「商業上の利点」を理由として製作されており、作り手側に「この作品をどうしても実写で描きたい」という情熱がないが故に駄作が量産されているという悪循環だ。好きな原作の実写化案件は例え地雷臭がしても可能な限り見に行くことにしているので、すべてがそんな作品ではないことも分かっているが、それでも駄作率が高いことは否めない。特に「原作をちゃんとわかって作ってます」アピールが容易な「原作のビジュアル再現」を前面にアピールしている作品は7~8割方駄作だと思っていいだろう。二次元のビジュアルを三次元に置き換えること自体がそもそも強引で、そこにばかり力を入れると単なるコスプレ大会になるのがオチなのだ(押井守監督が『機動警察パトレイバー』実写化の際に、特車二課の制服をリアルなものに置き換えたのも、コスプレ大会化を懸念したものだと語られている)。

漫画にしろアニメにしろ、作品を形作っているのはビジュアルだけではない。漫画やアニメに限らず、すべての作品においてそのキモとなっているのは物語やキャラクターの本質をいかに描くかだ。そんな基本が漫画・アニメ実写化作品では何故か抜け落ちがちなのは、やはり作り手が原作そのものと向き合うことを放棄している場合が多いからだろう(これは実写化だけに限らず「アニメ化」でも起こりうることで、一昔前までは「アニメにしてやってる」的な意識で原作を見下す作り手も少なからず存在した)。

■ならば良い「漫画・アニメの実写化作品」の条件とは何なのか? それは原作を実写で映像化する事に作り手側が意味や価値を持たせられるかということ。漫画やアニメという「ビジュアルの最適解」をすでに示している作品を、あえて実写で描くのならばビジュアル以外での最適解を見せなくてはならない。そのひとつである「生身の役者がキャラクターを演じること」に原作を凌ぐ意味を与えることに成功していると感じたのが、現在NHKで放映中の実写ドラマ版『昭和元禄落語心中』だ。

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原作は太平洋戦争を挟んだ昭和という時代を生き抜いた落語家達の、芸への執着と様々な愛憎を描いた雲田はるこの傑作コミック。2016~17年にはテレビアニメ化もされ、石田彰/山寺宏一/関智一といった実力派の声優陣が劇中で見事な落語を披露していたこともあり、はたして実写ドラマはどうなることかと一抹の不安を感じていたのですが……同じ物語を描きながらもアニメとはまったく異なる肌触りを持った作品となっており、最新第五話まで毎回リアルタイムかその日のうちに録画をチェックするほどのめり込むことに。

そこまでドラマ版に引き込まれた一番の理由は、主人公である八代目有楽亭八雲=有楽亭菊比古を演じる岡田将生が見せる「生身の凄み」だ。第一話での29歳の岡田がメイクで老成した八雲となった姿は正直違和感を感じたが、時間が進む毎に後のエピソードで語られる様々な地獄を潜り抜けて「落語と心中する」という絶望へと至った八雲の「怖さ」を垣間見せ始める。

与太郎を再びヤクザの道へと引きずり戻そうとする兄貴分に対する静かでドスの効いた言動、独演会の前座で与太郎が稽古の足りない上に助六の出来の悪い丸パクリの「初天神」をかけたことに対する「いい心持ちする訳がねぇやなぁ」という静かな怒りを秘めたつぶやき、そして「鰍沢」の最中に居眠りする与太郎のいびきが響き渡たり、それに怒りながらもアドリブで持ち直しながら演じきる一連のシーンに漂うひりついた緊張感。原作やアニメではどこか飄々とした雰囲気だったそれらのシーンが、生身の岡田将生が演じることで八雲が抱える「怒り」の感情が突き刺さってくる様なシーンへと変貌したのだ。
こういったドラマ版の描写を原作の改変とみる人もいるかも知れないが、これはむしろ原作を読み込んだ上での脚本家や役者・岡田将生の再解釈ではないだろうか。助六の面影を持つ与太郎を守るためにヤクザと渡り合い、その与太郎が助六の落語をハンパに扱ったことや、数々の修羅場を潜りながら「自分だけの居場所」として研ぎ澄ませた高座を踏みにじったことを心底怒る。その時点での原作や、それを忠実に映像化したアニメでは後々語ることとしてあえて踏み込んで描かなかった部分を、岡田将生は生身の「有楽亭八雲」を演じるために取り込んでいったのではないか。同様の意図を感じたのが、第二話における平田満演じる七代目・有楽亭八雲だ。ドラマでは第五話で明かされる先代の有楽亭助六との因縁。それゆえに幼少期の初太郎が助六の生き写しの様な落語を披露した際に複雑な表情を見せるのだ。
アニメの表現力を否定するわけではないが、ビジュアルを描くアニメーターと声で演じる声優という別個の人間の成果を重ねることで成立するアニメキャラクターと、個々の俳優自身が声・表情・仕草全てに演じるキャラクターの人生や心理を乗せることができる生身の演技では、同じキャラクター・同じシーンでもそこから伝わるものはおのずと異なってくる。そして現実に極めて近い作品世界に軸足を置く『昭和元禄落語心中』においては、生身の演技に分があるように思う。
誰かに捨てられることを恐れ、自分を捨てないと約束を交わしてくれた助六や想いを交わしたみよ吉を、自分の居場所を求めて落語にのめり込んだ結果として自分から捨てることになってしまい、それを自分が憧れ追い続けた助六の口から突きつけられるという地獄を味わった菊比古の苦渋の日々。それを経てこれまでのか細さを削ぎ落とした菊比古が、ようやく探し当てた助六の前で「助六! とっとと起きやがれ! こちとらはるばる東京から来てやってんだい!」と怒鳴りつける力強い啖呵から伝わる「もう一度助六の落語を取り戻したい」という望みの大きさ。それらはすべて岡田将生が自らの体で「有楽亭菊比古」という人生を表現しようとする凄みがもたらしたものだ。地獄を通り抜けて再び助六という希望に辿り着いた菊比古が、今秋放送の第六話で味わうことになる別れと絶望を、いったい岡田将生がどう演じるのかが今から楽しみで仕方が無い。

■原作の内容をコピーするのでも、ビジュアルを似せることだけに腐心して金のかかったコスプレ大会にするのでもなく、漫画がアニメが持ち得ない「生身の演技」という最大のアドバンテージで原作をいかように表現するか。それこそがドラマ版『昭和元禄落語心中』が示す、日本における漫画・アニメ実写化作品が目指すべき形ではないだろうか。

生身の技斗の迫力で原作の世界観やキャラクターの魅力を描くことに一点集中した『コータローまかりとおる』『伊賀野カバ丸』などのかつてのJAC映画。
不死身の剣士VS大多数の敵の集団戦というクライマックスに原作のエッセンスすべてを集約させた思い切りが痛快だった木村拓哉主演『無限の住人』。
主人公・海崎とヒロイン・日代さんの人生リスタートを巡るドラマに的を絞ったストーリーと、コスプレではなく演技で日代さんを完全再現した平祐奈の好演が光った『ReLIFE』。
原作やキャラクターの纏う空気感を忠実に描きながら、物語は本気のゾンビ&サバイバル映画として再構築した『アイアムアヒーロー』。
天才高校生から平凡で善良なアイドルオタクという大胆な設定改変をしながらも、それを活かして理想への暴走と破滅のドラマを原作以上の密度でまとめ上げたドラマ版『デスノート』。
日本でのテレビドラマ版ではカットされてしまった「同性愛」「誘拐事件被害者のトラウマ」などの要素を臆することなく描き、個性派イケメン俳優が多いというメリットを活かして原作の世界を描ききった韓国映画版『アンティーク 西洋骨董洋菓子店』。

自分が思う実写化作品の成功例を思いつく限り挙げてみたが、生身の役者が演じることと実写ならではのリアルな絵作りを活かす形で練り込めば、実写化は決して炎上案件ではなくなるはず。実写で描くことに適した作品がセレクトされ、アニメではできないアプローチで原作の魅力を見せてくれる実写作品が一本でも増えてほしいと、毎週の『昭和元禄落語心中』を見ながら思う今日この頃なのでした。

●余談
ドラマ版『昭和元禄落語心中』は、岡田将生の演技以外にも実写ならではの原作の膨らませ方が絶妙なところも面白さのひとつだ。原作ではわずかな描写だった小夏の前で助六の落語を披露して「あの人は私の中で生きている」と語るシーンを、多めの尺とってきっちり「八雲の演じる助六の形」を見せながら、山崎育三郎演じる助六をオーバーラップさせてドラマ初見の人に「助六とは何者か」も伝えていく構成の妙を見せた。
さらに戦時中に落語協会の自主規制という形で、政府や軍部に睨まれそうな演目を封印した「はなし塚」のエピソードも、原作ではモノローグのみだった部分を石碑建立の様子から見せながら得意の廓噺を奪われて助六との差が開いていく菊比古の絶望へと繋げていく。
そして疎開先では足の障害故に軍人になじられる戦時中ならではの描写も絡めながら、落語の稽古もままならぬ無為な日々の積み重ねからの玉音放送での終戦を知り、外で落語を叫びながら再び落語家に戻れる喜びと助六の戦地の無事を願うオリジナル描写など、ドラマとしての厚みを加えていく工夫が絶妙なのだ。

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ドラマを見た後、はなし塚のある浅草・長瀧山 本法寺に足を運んでプチ聖地巡礼。不勉強ながらはなし塚のことは知らなかったので、昨今の表現規制絡みのきな臭さから自由を守ってもらえるようにと拝ませていただきました。

そんなオリジナル要素の一つとして、戦地でのトラウマから酒浸りとなって落語協会から追放された名人・木村家彦兵衛(演じるのはドラマの落語指導を務める柳家喬太郎)から、後の菊比古(八雲)の十八番となりドラマを貫く柱でもある「死神」の稽古をつけてもらうくだりも見応えがあった。地獄を垣間見た老落語家だからこそ語れる落語に心を奪われて、菊比古が自分の落語家としての道を見出すという原作の補完であると同時に、その「死神」に心惹かれて与太郎が八雲の下に導かれるという第一話の図式とも重ね合わせる、見事なオリジナル要素なのだ。
とはいえ、ある作家さんとこのドラマ版について話した際に「やっぱり役者のやる落語はイマイチ」と一話で切ってしまったという話を聞かされ、そういう見方もあるのかと考えさせられたことも。自分としては十分クオリティ高いと思うのだけど、やはり落語通から見ると今ひとつなのか……ただ、このドラマは落語そのもののより「落語家という生き方」が主題だと思うので、そこにこだわりすぎるのも野暮かなというのが自分の考えですね。

2018.10.03

『カメラを止めるな!』聖地巡礼~水戸・芦山浄水場に行ってみました~

■最近取材仕事が増えてきたのでなかなか週末に大洗へとドライブできない日々……特に9月第3週あたりはダージリン&アンチョビの誕生日イベントがあったけど、東京ゲームショウ2018取材とバッティングしたり、連日取材で力尽きていたために今年も参加できずorz

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それでも地元のラーメン店「渡来人」さんがアンチョビ誕生日合わせで出した限定ラーメンが食べたかったので、三連休最終日のお昼に大洗へドライブ。鶏肉とキャベツは味わい深く、オリーブオイルとアンチョビを効かせた塩味のスープはスッキリとしてるのにコクがあって実に旨し。トッピングされたフランスパンのトーストもいいアクセントになっていて、このために大洗に来たかいのある一杯でした。

■この後、ここ近年の財政難を突破する望みを掛けて買っているロト6購入のために水戸市内のみずほ銀行へ(確率が低くても買わなきゃ当たりませんし……(震え声)。再び大洗に戻るか、それとも別のところを回って見るかと考えているうちにふと「そういえば『カメラを止めるな!』のロケ地って水戸だったよな」と思い出し、せっかくなので突発聖地巡礼を敢行することに(^_^;)

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ロケ地となったのは水戸市の外れにある今は使われていない芦山浄水場。市のフィルムコミッションが管理しているので中に入ることは出来ませんが、外観だけでも眺められればということで現地へと。時折雨も落ちてくる曇天ですが、かえって『カメラを止めるな!』っぽい雰囲気でいい感じ。「マムシに注意」なんて看板もあったので、周囲を見て回る際にはお気をつけください(^_^;)

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木立の隙間から見えるのは、まさしく映画で見覚えのあるあの建物!

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別の作品のロケがあるのか、人はいませんでしたがテントや色々な資材が。

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敷地内には入らずに周囲を一回りしながら色々撮影。かなり草深いので万が一のマムシに注意しながら歩き回ったので、すっかりジーンズがびしょ濡れに(^_^;)。でも雰囲気のいい廃墟感を堪能できたので、来た甲斐がありました。

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なんか『バイオハザード』感満点な浄水場正門。ゾンビムービーである『カメラを止めるな!』のロケ地になったのも納得。いつか敷地や建物の中に入る機会があると良いのですが、難しいだろうなあ(^_^;)。

高解像度の写真はFlickrにまとめましたので、よろしければこちらから飛んでみて下さい。

https://www.flickr.com/photos/153356879@N04/shares/95ft70

2018.06.21

最近のお仕事&『ウマ娘』最終回の日に東京競馬場へ

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■まずはお仕事告知。最近Web関連の取材仕事が増えてますが、こちらは「アニメ!アニメ!」さんでの初仕事。東京・有楽町マルイにて7月8日まで開催中の「GONZO 25th展」のレポート記事を書かせていただきました。平成のアニメファンなら誰でも一度はその作品に触れたことがあるはずのスタジオなので、今回展示されている4作品にも思い入れが深い人はいるんじゃないでしょうか。設定資料関係の展示の充実ぶりに加え、中田譲治さん演じるエドモン・ダンテスの新録ナレーションとか、ファム×ジゼル尊い成分をたっぷり楽しめるので、ぜひ足を運んで見て下さい。

■『ウマ娘 プリティダービー』がきっかけで競馬場に通い出すことになりましたが、6月3日&17日にも東京競馬場へ行ってみました。

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6月3日は安田記念に合わせて『ウマ娘』ブースやグッズ先行販売もあるとのことで足を運んで見ました。バッジは無事に全種買えたけど、お昼前にはスペシャルウィークとサイレンススズカは速攻完売してしまったとのこと。ウマ娘ファン以外にも、モデルの馬が好きな競馬ファンの方なども買っていってたようでしたね。売り切れ順は「スペ・スズカ」→「テイオー・ゴルシ」→「マックイーン・ダスカ・ウオッカ」という感じだったので、アニメで目立っているものから売れてたようですね。

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日本ダービーよりは少なかったけど、やはりメインレースは大いに盛り上がっていたので、ここでもウマ娘世界の熱を体感。馬券はまあ外れましたが(^_^;)

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6月17日は『ポプテピピック』とのコラボイベントがあるとのことで行ってみましたが……明らかにアニメと縁の無さそうな競馬ファンのおじさん・おばさんがグッズ抽選会で当たったTシャツを着て馬券予想してたり、何かのゆるキャラとでも勘違いしたのか着ぐるみ撮影会に人がかなり集まり、幼児が「ポプ子ちゃーん! ピピ美ちゃーん!」とはしゃいで声援を送る光景に、何か違う世界戦に迷い込んだかのような錯覚に陥りました(^_^;) どれくらいの人が『ポプテピピック』が何なのか知っていたんだろうか……。

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馬券の買い方も多少分かってきたので色々自分なりに予想して買ってみましたが、2200円投資して1190円のリターンという結果に。フォーメーション買いとかは、もっとオッズと合わせて検討して予想を絞らないととのアドバイスを某所でいただいたので、もうちょっと勉強しないといけませんね。スマホでJRAのサイトをチェックすれば三連とかの場合のオッズもわかるというのも知らなかったしなあ。

あるレースで一番人気の馬がパドックで頭下げて元気なさげだったので予想から外したら、実は「鶴首」というレースに集中している現れだったらしくて1位になってたりと、パドックでの馬の見方も経験積まないといけませんね。

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東京競馬場は食事処も多いので、行くたびに『ウマ娘』第1話のスペちゃんのごとく目が移りまくるハメに。6月3日は大阪のかすうどんが食べられる「KASUYA」で限定の「肉盛りかすそば」を試してみましたが、甘くて香ばしいカスの味わいがたまらぬ逸品でした。しかし競馬客は酒を飲む人が多いせいか、この店も含めて飲み物がアルコールしかない店がけっこうあって困ることも(^_^;) テーブルとかにスポーツ新聞とか置いて長時間の場所取りしてる人が多いので、どこかに食べ物を置いて飲み物を買いにというのも難しかったりするので、どうにかならんもんかなと……ここらは競馬客のマナーの問題だから、競馬場側で改善するのも難しいのか。

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6月17日はフジビュースタンド5階のレストラン「神田川」で「きじ焼き重」をいただく。肉厚のきじ肉が美味しくて食べ応えがありました。スタンド指定席のあるフロアなのでゆっくり落ち着けるのもいいですね。

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これから東京競馬場に行く人にぜひ試してほしいのが、東京競馬場名物にもなっているらしいフジビュースタンド3階のトーキョーカフェ&ベーカリーの「本命ドーナツ」「大穴ドーナツ」。特に大穴ドーナツはタイミングがいいと揚げたてを食べることができるのですが、これが熱々ふわふわで実に美味。いままで食べたドーナツの中でナンバー1といってもいいぐらいの味でした。

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帰りに売店によると、いつも品薄でなかなかお目にかかれないゴールドシップのマスコットぬいぐるみが。3300円といい値段がするので迷いましたが、『ウマ娘』でも一番好きなキャラですしラスト3個だったので購入(^_^;) あと馬の勉強も兼ねて「馬なり1ハロン劇場」の最新刊も……まだ連載しているんですね(^_^;)

■そんなこんなで東京競馬場から帰宅しての『ウマ娘 プリティダービー』最終回。スペシャルウィーク達のストーリーとしては前回で決着がついて、今回はチームスピカ&リギル+αによるドリームレース編。ストーリー本編がどうしてもスペシャルウィーク中心だったので、魅力的なキャラクターながらも個々のドラマや走るシーンを見る事ができなかった面々の描写が見られたのがうれしいポイントでした。

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アニメでは天才・武豊が愛したスペシャルウィークとサイレンススズカ、年齢逆転したお祖母(祖父)ちゃんと孫というメジロマックイーンとゴールドシップ、同期のライバル牝馬のウオッカとダイキスカーレットというリアルの馬同士の関係性がウマ娘に持ち込まれてキャラクターを深めていたけど、それらに勝るとも劣らないドラマ性を持っていた会長・シンボリルドルフと妹分のトウカイテイオーの親子対決をはじめ、時代を超えた様々な「夢の名勝負」が描かれたのも最終回の大きな魅力だったかと。今作がきっかけで勉強しはじめた自分ですら凄いと思えるこの組み合わせ、競馬ファンならもっと楽しめたのではと悔しかったり羨ましかったり(^_^;)

レースの結末をぼかした点で批判的な感想も目にしますが、あれは「見た人それぞれが勝者を決める」という作り手からのメッセージだと思っています。夢の大勝負で自分の大好きな馬が接戦を制して勝利を収めるという「夢」は、押しつけられるモノじゃなくて自分で掴むものですし。ちなみに自分の中では、ここまでなにげにスピカを支えてきたゴールドシップが、溜め込んだ末脚を爆発させてゴールに飛び込んだという結果に終わってます(笑)。回想で見せたトレーナーの恋女房というかバディぶりも最高だったので、ゴールドシップには最後に美味しいところを持っていってもらいたいですし。

そしてある意味最終回の主役だったといえるのがトレーナー。ウマ娘達を支え続け、スピカのメンバー達が着そうレースを夢見ながら、実際に実現してしまうと「夢の終わり」のように思えて逃げようとしてしまう……これって最終回を迎えてほしくないファンの姿そのものだったのではないかなと。こういう複数ヒロインものの作品では、彼女達に関わる男キャラの造形如何で作品自体の印象や評価が左右されてしまうものだけど、そういう点でトレーナーはウマ娘達を見守り支え、共に喜び共に泣くという理想的なキャラクターだったのではと。そんなウマ娘との関係性は、リアルの競馬における競走馬と騎手・調教師・厩務員の関係そのもので、擬人化したことでウマ娘との恋愛要素的なノイズを入れることなく、きっちりとした距離感を盛り込んで描いたアニメスタッフの見事な判断だったと思います。それがあったからこそ、『ウマ娘』はシチュエーションのイロモノぶりとは裏腹に、熱くて爽やかな作品になったのだと実感しています。

■アニメの方はBD最終巻にOVAが収録され、新たなウマ娘も登場するらしいので楽しみはまだまだ続くのですが……それよりなにより、ここまで理想的に盛り上がったのだからゲームを一刻も早くスタートさせてほしい(^_^;) 最終回の後に開始日告知があるものと思っていたのですがねえ……。

7月から早くも再放送が始まるとのことなので、本放送で未見だった人はぜひとも再放送でチェックしてほしいです。アニメファンはもちろんだけど、競馬好きの方の琴線にも絶対触れるところがあるはずなので。そして、これをきっかけに競馬や馬に興味を持ったら一度競馬場に足を運んでみてほしいです。きっと新たな世界と楽しみが広がるはずなので。

2018.03.10

最近のお仕事:『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』公開記念 濱田龍臣・小澤雄太インタビュー

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■本日より公開の『劇場版ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』に合わせて、朝倉リク/ウルトラマンジード役の濱田龍臣さん&伊賀栗レイト/ウルトラマンゼロ役の小澤雄太さんのインタビューを担当させていただき、現在SPICEにて公開中です。

サイトの写真を見ていただければわかるように、当日はお二人とも劇中の姿でいらっしゃってくださり、お話しされる物腰なども劇中のリクとレイトさんそのままだったので、こちらは内心「本物のウルトラマンが目の前に!」とテンション上がりっぱなしでした(^_^;)

色々と内容の濃いお話も聞けましたし、レイトとしての小澤さんインタビューはかなり珍しいものだと思いますので、ぜひ激情へ足を運ぶ前に、もしくは劇場の余韻を振り返るために、インタビューを楽しんでいただければ幸いです。

2017.03.21

「現在」の日本は個性がない? 海外ドラマの「変なニホン」は何故無くならないのか

■海外のドラマや映画の中にニホンが登場する際、どうにも描写や言動がおかしい「変なニホン」になることが多い。日本に関する情報やインターネットなどが普及していない時代なら、それも仕方ない面もあったといえる。だが、いまやネットによって様々な国の情報や事件等にリアルタイムで触れられる時代なのに、日本に関しては「変なニホン」描写が無くなる気配が無い。しかも近年の『CSI』シリーズや『BONES』シリーズなどのリアルな科学捜査がウリになっている作品でも、日本絡みになると「変なニホン」が大真面目に描かれるエピソードが飛び出してくるのだ。他の国に関することになると特におかしな描写にはなっていないことを考えると(実際にその国の人から見ればおかしな部分があるかも知れないが)、「変なニホン」は割と確信犯的に描かれているとしか思えないのだ。

■そんな「変なニホン」描写が久々に炸裂したのが、2月よりWOWOWで放映スタートした『クリミナル・マインド 国際捜査班』だ。


国境を越えて犯罪を追う、FBI国際犯罪特別捜査班の活躍を描く、人気ドラマシリーズ「クリミナル・マインド」のスピンオフシリーズ。主演はゲーリー・シニーズ。

FBIの精鋭チームIRTは、海外で凶悪犯罪に巻き込まれた可能性がある米国人を現地に飛んで救う。FBIで長年勤続してきたベテラン、ジャック(G・シニーズ)をリーダーとし、何カ国語も話せる文化人類学者でもあるクララ(A・D・L・ガーザ)、子ども4人のパパでもあるマット(D・ヘニー)、検視官メイ(A・ファンケ)というメンバーは、米国で情報収集をしたり被害者家族の面倒を見るラス(T・J・ウィリアムズ)と連携しながら世界各地で活躍。
そんなIRTは、タイのバンコクで米国人3人が失踪した事件、インドのムンバイで起きた臓器売買をめぐる事件、日本の青木ヶ原樹海での自殺に偽装された連続殺人事件などに次々と挑んでいく。 (公式サイトより)


それぞれのエピソードで描かれる事件は、舞台となる国の風俗・慣習・歴史・政治情勢などに関わるものとなっていて、その描写もおおむね正確ではあるのだが……東京が舞台となった第4話「死神のささやき」が、近年ではかなりの「変なニホン」案件だったのだ。


東京で1週間の間に3人のアメリカ人が死んだ。死因を自殺と断定した警視庁は、IRTの来日を歓迎していなかったが、IRTと連携を取ることになったカズミとリョウは、次第にジャックたちのやり方を受け入れていく。その後、日本人の寿司職人が死亡。さらに3人目の被害者の兄も殺される。一見つながりのなさそうな被害者たちだったが、全員が築地の「大ちゃん寿司」の経営者夫妻の自殺に関係していたことが分かり……。(公式サイトより)


東京で発生したアメリカ人連続自殺に事件性を感じたIRTが東京に乗り込んで捜査に当たるのだけど、導入部からのやりとりからパンチが効いている。

クララ「首吊り、自害、飛び込み…」

メイ「いちいち名前がついてるわけ?」

クララ「日本では自殺が文化の一つとさえ言われてるわ。侍から神風特攻隊のパイロットまで

ジャック「日本人にとって自殺は名誉ある行為だ

このやりとりだけでは「日本をわかっていない」と短絡的に考えてしまいがちだが、海外の視点では人材を無駄に失うだけの「神風」などはこのような解釈で理解するしかないということなのだろう。

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日本に到着したIRTの面々を警視庁の女性警視正カズミが出迎えるのだけど、ここでのやりとりもすごかった……。

「日本では初対面の相手とは名刺交換をするのが礼儀なんだ」

と語るジャック。そしてカズミ警視正とはお互いに名乗りながら何度も「お辞儀」の応酬の末に互いに無言で見つめ合う……ここで「ああやって相手が信頼できるかどうかを探っているんだ」と聞いた事のないニホンの礼儀作法が。そうして相手との信頼関係が成立したのか、お互いに名刺交換をしてやっと本題に……ここらへんも日本人同士の挨拶のやりとりが、海外からは奇異に見えているということの現れなんだろうか。

■上に引用したあらすじにもあるように、事件の鍵となっているのが色々と話題の築地市場なんですが、そこに登場するのが日本人の知らなさすぎる「築地市場」(^_^;)。

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ジャック「これがあの有名な築地市場か」って全然違ういますよ(^_^;)

事件の被害者となるアメリカ人達(写真二番目)が「SUSHI発祥の地だからありがたく味わえ」と食べていたのが「生牡蠣にうずら卵と刻みネギを載せて味醂を数滴足らした」一品……それははたして「SUSHI」なのか(^_^;)

写真三番目のシーンではジャックが「何度も日本に来ているが、あのマスク、健康のためだとわかっていてもいまだに馴れないな」とコメント。たしかにやたらマスクして外出している人が多いのも外国人には奇異に見えるという話を何かで見た記憶が。

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そして冷凍庫で板前が「切腹」した状態で凍り付けになっているという新たな事件が……冷凍庫にワイヤーラックとか、スチロール製トロ箱に貼られた「腐りやすい」ステッカーなど、色々じわじわくるシーンを境に、事件は急展開をしていくのでした……。

■ここまでトンデモシーンをピックアップしてみたけど、すべてがトンデモかというとそうでもない。三人目の犠牲者が青木ヶ原樹海で首吊り死体で発見された件では、地理条件を無視しないで「夜に築地で消えた被害者が、何故車で二時間かかる青木ヶ原までいって首吊りを?」と事件性を疑う鍵になったり、築地市場のシーンでは「オープンは1923年で魚の取引量は世界一」とデータは正確。そして事件の鍵となるのが「築地市場周辺の再開発」と色々とタイムリーな話題となので、現在の日本に対して不勉強というわけではないのです。それだけに、細かな「変なニホン」描写とのギャップが妙な味わいを醸し出す異色エピソードとなっているのですわ……。

■このドラマの他の国のエピソードは、前述の通りかなりリアルなテーマを扱っている。第一話のタイでは人身売買ビジネス、第二話のインドではカースト制度による差別と貧困&それにつけ込む臓器売買ビジネス、第三話のエジプトでは同性愛差別や「アラブの春」の揺り戻しによる民主化運動の厳しい状況など、それぞれの国のドラマ製作時の現状に即した内容をドラマの核としているのだ。その流れから考えた場合、はたして「現在の日本」にはドラマになり得るテーマは存在しているのだろうか?

政治関係は国民の大半が無関心なために、ドラマになるような大きな動きは無い。東日本大震災や原発事故は解決に至ることなく風化しつつある。ものづくりも下降線で、かつては「エコノミックアニマル」と揶揄されるほどの経済的な優位もない。「現在の日本」に残っているのはオタク・サブカルチャー関係かヘイトスピーチぐらいしか残っていないのではないだろうか。

海外ドラマ/映画で描かれる日本描写がトンデモなのは、現在の日本に対する不勉強さの結果ではなく、勉強した結果として「現在の日本を描いても面白いドラマにならない」という結論に至ったのでは。 逆に過去の日本やそれに由来する様々な文化や風俗は個性的で面白いので、様々な形で取り入れられていく。その結果として「スシ・スキヤキ・ニンジャ・サムライ・フジヤマ・ゲイシャ・ヤクザ・オタク」といったものがカオスとなった「変なニホン」がコンテンツとして継承されているのではないだろうか。

■見る人によっては国辱物にも映る「変なニホン」だが、それを払拭するには「現在の日本」がそれを上回る魅力と面白さを提示するしかないのかもしれない。世界中で大ヒットを記録している『君の名は。』あたりがその突破口になるような気もするが、はたしてそれに続く「現在の日本」を海外にアピールしうるコンテンツは現れるのだろうか。官民双方が「日本スゲー」に終始しがちな現状ではそれも難しい気もするのだが……。

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