■まずはご報告。夏のコミックマーケット、無事に受かりました!
8月17日(日曜日)東地区P-28a
「私立歯車高校」
新刊は大洗で撮りためた写真を使ったフルカラーのガルパン語り本を予定。あとガルパン繋がりの縁で「ガルパンスレ合同誌」の委託もアリのガルパン尽くしなスペースになりそうです。
■とはいえ印刷費が心許ないので、速攻で本を作って早期入稿割引をフル活用しなければならないというのに、あるゲームにハマリまくっているせいで、作業が遅々として進まずorz そのゲームは!
PS Vita専用ソフト
『ガールズ&パンツァー 戦車道、極めます!』
アニメ本編の物語に沿って、劇中で繰り広げられる試合をモチーフとした戦車戦を、大洗女子学園チームとなって全国大会に挑む「ストーリーモード」と、ゲーム中に登場する戦車を自由に編成して戦える「バトルロイヤルモード」の二つのスタイルで楽しめるこのゲーム。暇さえあれば起動してストーリーモードをプレイし、全チームのルートを解放しては各話毎のミッションに挑む日々です。
クセも欠点もあるけど、なかなかやり込みがいのある面白いゲームなのに、ファミ通のクロスレビューの点数が「6・6・6・5」と辛口だったせいでクソゲー扱い。遊んでみて合わなかったというならまだいいのだけど、「クロスレビューの低い点数は信用できるしバンダイナムコのキャラゲーだからクソゲーだろう」とか「勝ったはいいけどクソゲーだと聞いてるから開封したくない」とか言ってるヤツまでいる始末。こういうタイプの人ってのは「自分の感性で評価をする」という意識をどこかに捨ててしまっているのか、それとも元々持ち合わせていないのか、どちらにしても哀れだなとしか。当のクロスレビューにしても、「ああ、適当に1~2時間プレイしただけだな」って感じのもので、このゲームの面白い部分をちっとも取り上げていない。こういういい加減な記事による風評被害で、ゲームを遊んでもいないやつすらしたり顔でクソゲーとして悪評をまき散らすんだから始末に負えない。正直もうファミ通のクロスレビューなんて、サンデーモーニングの張本並に無用の長物なんじゃなかろうかと。
とにかく、自分がドハマリしているゲームが、いい加減なクロスレビューのせいでクソゲー呼ばわりはガマンならんということで、自分なりのレビューをざっくりまとめてみようかと。とりあえずプレイ状況は一度あんこうチームルートで全5話をクリアした後、他のチームのルートを第4話プラウダ戦まですべてクリアして、各話ミッションをすべてランクB以上でクリアすると手に入るクリアグラフィックも回収済み。
目下悩み中なのは、第5話のアヒルさんチームルートを条件満たしてクリアしたのに、クリアグラフィック&全クリアご褒美グラフィックが出ないこと……あと何回マウスを倒せばいいんだろorz
■いきなり欠点の指摘だが、このゲームの最大の難点はクセのある操作系だろう。左アナログスティックで戦車の移動、右アナログスティックで砲の照準操作と一見シンプルなのだが、どうも思い通りに動かなくなることが多いのだ。その原因は、移動時に砲身が自動的に前方を向くためで、例えば前進しながら砲塔を回転させて後方の敵を捉えようとすると、移動操作の属性がいきなり逆転して、前に進んでいるつもりが後ろに下がってしまうようなことが起きるのだ。『World of Tanks』などの他の戦車ゲームのつもりでやっていると、この操作に混乱して、その間に砲撃を受けてダメージを受けるハメに。狭い路地の多い大洗マップでの戦闘や、強力な戦車を多数相手にすることになるプラウダ戦や黒森峰戦では、戦車の操り方が明暗を分ける局面が多いので、この操作のコツをつかまないとストレスが溜まるのだ。
この操作系はもっと煮詰めてほしかったのが正直な所だが、プレイを重ねてこの操作のコツを身につけると、ゲームの様相は一気に変わってくるのだ。
■ストーリーモードでは、全5話を通して10種類の戦車を操ることができる。回転砲塔の戦車か固定砲の自走砲/駆逐戦車か、砲の威力の大小、砲弾のリロード速度など、戦車ごとに大きく異なっているので、いかにそれを戦闘で活かすか工夫していくのが面白いのだ。砲の威力と装甲は弱いが機動力とリロードの速い八九式なら、とにかく動き回って一撃離脱戦法でコツコツ当てる。砲と装甲は強力だが機動性も低くリロードの遅いポルシェティーガーなら弾を受けつつもじわじわ前進して確実に当てていくなど、同じミッションでも戦い方はガラリと変わる。さらに状況によってはザッピングで他の戦車を一定時間だけ使うこともできるので、各戦車の利点を活かして戦い方を組み立てる楽しみも味わえるのだ。クロスレビューではラジコンみたいと評された戦車の動きにしても、ガルパン本編のようなスピーディーな戦車バトルの感覚をうまく盛り込んであっていいと思う。
アニメでは貧弱な火力で敵撃破と無縁だった八九式も、ゲームでは近接射撃でクリティカルを出したりもできる。八九式やカメさんチームの38(t)なら、相手の砲塔の回転以上のスピードで回り込みつつクリティカルを連発できるので、ゲームでは軽戦車の方が強いかも(八九式は「軽戦車じゃないし、中戦車だし」ですが)。
■ストーリーモードのもう一つの楽しみが、「みほの指示に背いて新たな戦いを生み出す」ということだ。ゲーム中ではアニメ同様にみほの指示が飛ぶ局面がいくつかあるが、ここで素直に従っているとポイントを稼ぐことができず低いランクでのクリアになってしまう。アニメでみほが見せた指揮は「乏しい戦力でいかに強豪を出し抜いて勝利するか」に特化しているので、ゲーム内で同じ事をすれば辛勝に終わるのは当然の結果なわけだ。
だがゲームでは、積極的に戦いを仕掛けることで別の戦術をとることができる。サンダースに対してフラッグ車狙いでなく真っ向から戦いを挑んだり、プラウダの追撃隊から逃げるのではなく反転して迎撃するなど、積極的に戦いを挑むことでクリア条件が変わり、アニメとは異なる展開で試合を終え、撃破数を稼いでクリアランクを上げたりもできるのだ。当然戦いは苛烈を極めるが、緊張感のある戦車戦を堪能することもできる。それによって、アニメの聖グロリアーナ戦では逃げ出してしまったウサギさんチームを果敢に戦わせることができたり、決勝戦で戦うことなく試合を終えたアリクイさんチームに活躍させられたり、自分の手でifのガルパンストーリーを楽しめるのも大きな魅力だ。
三式中戦車は高い機動力と軽戦車並みの速いリロードで、思った以上に使える戦車となっている。アニメでは描かれなかったアリクイさんチームのがんばりっぷりは必見。
生徒会メンバーが、戦車の中では廃校回避への決意を見せたり、元母校との戦いに挑むみほを気づかったりと、本編では見せなかった一面が見られるのもうれしいところ。桃ちゃんの華麗な射撃で聖グロリアーナを粉砕することも可能だ(笑)。
■そんな楽しいストーリーモードだけど、やはり困った面はある。その最たるものが「CPUのおバカな思考ルーチン」だ。これは敵も味方も共通で、こっちがボロボロになりながら戦っているのに、無傷の味方が明後日の場所をうろうろしていたり、プレイヤー戦車めがけてダンゴ状態で突進してくる敵戦車など、ミッションによっては無意味に難易度を上げるような場合もあるので、これがまたストレス要因だ。手強い敵をマークして、そこに味方が向かうように指示できたりするだけで、かなりプレイ感が変わってきたと思うのだけど。
■あとゲームの売りのひとつにもなっている大洗マップも、個人的には問題の一つだと思っている。゜もっと作り込んで、本当の大洗のようなクオリティが欲しかったというのもあるが、それ以上にリアル大洗並に広いのにはまいった。広い割には通れる道や路地が少なく、そこに前述の「おバカなCPU思考ルーチン」が加わることで、大洗駅から動かないダージリンのチャーチルを倒すために、長ーい一本道をただひたすら走り、そのあとでまた遠く離れた複数のマチルダを倒すために、元来た道をまた延々と走るハメになり、酷い時にはそれでタイムアップしてミッション失敗なんてことも。大洗マップはもっと遊びやすさ重視で煮詰めて欲しかった。
■いい所も悪い所も遠慮なく書いたけど、いま一番気に入ってるゲームだし、いい加減仕事と夏コミ新刊に支障きたしてるからそろそろ封印かなとか思うぐらいにハマって遊んでます。それだけに、このゲームは「欠点も多いけどクソゲーではない」と主張しておきます。あのクロスレビュー点数は、ファン向けソフトという点を考慮すればプラス1~1.5点ぐらいは加算すべきだと思います。