新型コロナウイルス対策「生活福祉資金(緊急小口資金)」を実際に申請してみた
■3月になってからの新型コロナウイルス感染拡大阻止のための外出、イベント、店舗営業など多岐にわたる「自粛要請」の数々。経済の停滞、書店に行ったり映画を観ることすらままならない「文化的生活」の崩壊、そして何より家に篭もって仕事ができなければ新型コロナで死ぬ前に貧困で死ぬという絶望感。食うに困らない総理をはじめとする政治家や大物アーティストの皆様は、一般市民の営みなど知らないらしく「批判は止めよう」「大切な人の為に家で過ごそう」などとお花畑みたいなことばかりのたまっていますが、こっちは仕事も減ってしまってますので、そんな暢気な戯れ言にはつきあっていられません。
やっと「一律現金給付」が動き出しはしましたが、いつになるかわからない以上は自分で動くしかないということで、全国の社会福祉協議会で行われている「生活福祉資金(緊急小口資金)特例貸付」の申請に行ってきました。その流れをまとめてみましたので、これから申請を考えている人の参考になれば幸いです。
■この貸し付けについては全国共通というわけでなく、各自治体によって細かい条件は違うようです。まず金額については最高額が「20万円」というのは共通のようですが、貸付額や条件については自治体ごとに異なるのでまずは確認が必要です。
こちらは都内在住の弟がこれから申し込む予定の台東区の場合。
「20万円以内」となっているので金額は審査によって上下する可能性が。
そして自分が申し込んだ栃木県の場合。
原則としては一律「10万円」で、以下の条件が当てはまれば「20万円」の申請が可能。
・世帯に新型コロナウイルス罹患者がいる。
・世帯に要介護者がいる。
・世帯員が4人以上居る。
・世帯員に「臨時休業した小学校などに通う子ども」「風邪症状など新型コロナウイルスに感染した恐れのある子ども」がいる。
・世帯員に個人事業主がいるため収入減少で生活費が不足する場合。
自分は単身世帯ですが「個人事業主」と認めてもらえたので20万円で申請できました。
あと「個人事業主」であることを説明するために、自分の手がけた雑誌やWebの記事のプリントアウトや自著などがあればそれも用意しましょう。特に雑誌の記名記事があると役所の人にも「仕事の成果」としてわかりやすいので話がスムーズに進みます。自分の場合は本名での署名となっているモノ・マガジンの記事掲載号を持っていったら反応良かったですね。
■実際に申請に行く場合ですが、現在どこの役所も手続きを求める人が殺到しているようなので、まずは予約が必要です。自分の場合は小山市役所のサイトにあるメールフォームから手続きに関する問い合わせをしたところ、翌日に担当者から電話連絡があって面談の日時を決めました。
申請に必要となる書類等はこの7つ。「借入申込書」「借用書」は面談の際に社会福祉協議会から渡されるものなので、こちらで用意するのは他の5つ。
特に重要なのは「世帯全体の住民票の写し」で、これを面談までに用意しておけばその場で申請まで済ませる事が可能です。自分の場合は用意を忘れていたため、最初の面談では事情説明などのみで、本申請は後日改めてということになってしまいましたので(^_^;)。
「収入の減少がわかる書類」は一見分かりにくいですが、自分の場合は以下の物で大丈夫でした。
・取材依頼&キャンセルのメール
・取材予定だったイベントの開催中止告知
・コミックマーケット98の参加証と開催中止のメール
・カメラマン仕事のうち新型コロナを理由としたキャンセルメール
・仕事のギャランティが振り込まれている預金通帳の明細
面談で説明するのに加えて、審査の資料として先方に引き渡される場合もあるので、当然すべてプリントアウトで用意しておきましょう。前述の仕事の説明でもそうですが、お役所での面談はまだまだアナログなので「紙」で見せることの説得力はかなり有効です。
預金通帳の明細については、昨年後半~今月あたりまでの明細が記帳されていると、収入減少をわかりやすく説明できます。自分の場合は記帳をサボっていて昨年10月~12月の分がすっぽり抜けてしまっていて苦労しましたが、そこは口頭で「どの会社からだいたい〇万円」と説明して、係の方にコピーに追記していただきました。
「振込口座(本人名義)が確認できる書類(通帳またはキャッシュカード)」は文字のまんまですが、通帳を持っていった方が話はスムーズに進むかと(表紙や内側の名義部分のコピーをとられるので)。
「償還金口座振替依頼書」は先方から渡されますが、銀行届出印での捺印が必要ですのでハンコも忘れずに。「借入申込書」「借用書」でも捺印する部分があるので、とにかくハンコは絶対忘れないように。
「本人確認ができる書類(運転免許証・健康保険証・住民基本台帳カード・障害者手帳等)」も読んで字の如し。自分が普段使っているものを用意しとけばOKです。自分は運転免許証でした。
■これだけ用意して面談に行けば、その場で申請まで済ませられるはずです。そして無事に申請が通ればお金が口座に振り込まれると。期間は7日となっていますが、とにかく今は混み合っているので2週間ほど見ておいてと自分は言われました。審査結果は特に伝えられないとのことなので、ダメな場合もあるようですが面談が上手く行けばたぶん大丈夫ではないかと。
返済については借り入れから1年後に返済スタートで、最大24回払いで自動引き落としによる返済になるとのこと。返済スケジュールは短くする事もできますが、先が見えない状況ですし滞りなく返済できれば無利子ですので、ここは目一杯の期限で設定しておくのが吉でしょう。1年後になおも収入減少が続く場合は償還免除の可能性もありますが、それを当てにするのは何か違う気もしますので、何とかがんばって返せるように仕事を立て直したいものです(^_^;)