『最狂超プロレスファン烈伝』再始動!
最狂超プロレスファン烈伝5.1
■作者・徳光康之先生のサイト
http://ameblo.jp/ameid20151109/entry-12222313902.html
■Kindleへの直接リンク(AAは徳光先生のものです)
■自らの手で過去の単行本・未単行本化作を積極的にKindle化配信して、精力的に活動されている徳光康之先生。その代表作である、愛すべきプロレスファン達の熱い生き様を笑いと涙で描いた『最狂超プロレスファン烈伝』の完全新作エピソードの配信がスタートしました。
月刊少年マガジンでの連載終了後にまんだらけから発行された描きおろし第4巻は、連載を楽しんでいた当時のファンにとっては衝撃的な内容でした。作者自らプロレスから「退学」したと語り、鉛筆描きのページも多数あったその内容は、リアルタイムで読んだ時には正直落胆したし悲しくもあった。
でも、時を経てKindle化されたのを機にで改めて読んでみると、その印象は全く違ったものとなった。「シン・ゴジラ」風にいうなら「現実(作者)VS虚構(キャラクター)」。その対立構造を軸に、東京ドームに撃ち込まれた核弾頭の爆発で別世界に飛ばされたキャラクター達が、プロレス無き世界でプロレスファンとしての生き様を見せていき、プロレスファンでなくなった作者によって消滅しそうになる自分達と作品世界を守ろうとする……実は第4巻はとんてもないメタフィクション&多元世界SFだったことに気づかされたのです。SF展開自体の伏線は月刊マガジン連載中にも「力道山が木村政彦に敗れたことでプロレスが消滅した並行世界」というエピソードがあったので、それを考えれば納得の展開ではあったのだが、、当時は自分も含めた読者の多くが「プロレスファンあるあるマンガ」と受け止めていたが故に、その本質に気づけなかったのだ。試合当時は世紀の凡戦とバッシングされたアントニオ猪木VSモハメド・アリの異種格闘技戦が、見る側に格闘技の知識と見る目が備わった昨今になって再評価されたかのように。
■そして十数年を経てプロレスに「復学」した徳光先生が、クラウドファンディングで資金を募って実現させた完全新作エピソードが11月24日よりAmazonのKindleストアにて配信が始まったのだけど……これが実に衝撃的な再始動でした。
テーマは2015年11月15日の天龍源一郎引退試合。そんなネタだけに、旧来のような最狂プロレスファン達のバカ騒ぎトークが展開される内容なのかと思いきや、まさかの多元世界SF展開が2015年の時間軸をも巻き込んでさらにヒートアップしていく内容だとは思いませんでした。第4巻冒頭で東京ドームに撃ち込まれた核弾頭によって切り離された「現実」と「虚構(最狂超プロレスファン烈伝)」。キャラクター達が異世界でプロレスファンの生き様を貫いていたのと同時に、枝分かれした現実でもプロレスファンが生きていた。そして、それが再び交わったことで何が起きるのか……プロレスとプロレスファン愛と多元世界SFが融合した、ある意味とんでもないマンガとして再始動した『最狂超プロレスファン烈伝』新作エピソード、ぜひ漫画ファン、SFファン、そしてプロレスファンに購入して読んでみてほしい、今後が楽しみな期待作です。月刊マガジン版以降を未読なら、ぜひ作者サイト経由でKindle版第4~4.5巻も込みで読んでみて下さい!