■割と不可抗力的な状況の変化で仕事が激減して死にそうになり、その穴を埋めるべく色々仕事を開拓してたら一気に〆切が押し寄せて別の意味で死にそうになったりと、夏以降は色々と大変な状況に……貯金も社会保険や生命保険の支払分のみ何とか残してあるぐらいで、月末になったらほぼ確実に底を尽く状況でどうしたものかとorz 今月の仕事のギャラが入る年末まで乗り切れるのか、俺。
■そんな状況下でも、冬コミケに何とか無事受かりました。
冬コミ3日目・西れ-30b
「私立歯車高校」
今回もガルパン本で、ガルパンと大洗に関する色々なネタをまとめた本になるかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。夏コミで出したガルパン本『FUN TO PANZER!』『戦車乗りと恋するための戦闘教義』も持っていきますので、合わせてよろしくお願いいたします! こちらはCOMIC ZINにて絶賛委託&通販中ですので、こちらもよろしくお願いいたします。
■先月から今月にかけては毎週末大洗に行ってたような状況だったので、ブログのネタは色々とあるのですが、今回はこっちを書きたくなったので……。
大山のぶ代ナレーションの予告編が話題になっていた『武器人間』が、地元である栃木県小山市のシネマロブレ5で公開だったので見てきました。一応シネコンではあるものの、全席自由席だったり売店のガラスケースにお菓子と一緒にパンフレットが並んでいたり、スクリーン前には地元企業名が刺繍された緞帳があったりと、単館からシネコンに切り替わる過渡期ならではの不思議な造りの映画館なのですよ。市内のショッピングモールにある同系列シネコンで所謂メジャー最新作をやっているせいか、こちらではマニアックなラインナップを積極的に上映していて、その流れでの『武器人間』だと思うのですが……他の上映館がいずれもレイトショー扱いで一日一~二回しか上映していないのに、ここでは午前中から一日四回上映。ちなみに自分が見た回は平日の午後3時前ということで観客は自分一人……スクリーン独占状態で、この問題作に挑むこととなりました。
■ちょっとネタバレ的な部分もありますが、映画の感想をば。大山のぶ代ver.予告編のせいもあってネタ映画的に思われている部分もありますが、そんな予想は冒頭でいきなり裏切られることに。
舞台は大祖国戦争の時期。ソビエトの映画学校の学生が、ある偵察部隊と行動を共にしながら撮影した記録映像という体を取ったモキュメンタリーで、散発的な戦闘や民家での略奪、捕虜にしたドイツ兵の処刑などを淡々と記録しながら話は進み、辿りついた謎の寒村でフランケンシュタイン博士の武器人間工場に迷い込むという展開なのだけど、これが何とも緊迫感満点で面白いのですよ。
迷路のような閉鎖空間に追い込まれ、そこにただ敵を殺戮するためだけに現れる数々の武器人間達。人間としてのモラルを完全に喪失し、自らの技術で武器人間を作ることにしか興味を持たないフランケンシュタイン博士、死体や生きた人間を材料に、効率よく武器人間を作るためだけに作り上げられた工場が醸し出す狂気(変にシステマチックなあたりがアウシュビッツとの共通項が見てとれるあたりも、その狂気を色濃くしているかと)……それらがモキュメンタリーという手法によって、リアリティ満点の救い無い地獄として描き出されているのが、『武器人間』という映画だったのです。
■武器人間達はデザインだけで見るとすごく戯画的で、所謂特撮ヒーロー物の怪人テイスト。だけど劇中で感じるのは「フランケンシュタイン博士の狂気の産物」というリアリティ。『仮面ライダー』のショッカーをとことんリアルに描いたら、この『武器人間』になるんじゃないかという思った(ショッカー自体もナチスの人体改造技術で怪人を生み出す残党組織ですし)。「なあ、信じてみないか。たとえ神も仏も居なくても、仮面ライダーは居る、ってな…」という名セリフが『仮面ライターSPIRITS』にあるけど、仮面ライダー無き世界のショッカーが存在したら、たぶんこんな姿なのじゃないかと。
『パシフィック・リム』が描き出した巨大ロボットと怪獣の世界に対して、日本の特撮ファンや製作者の一部が妬みにもにた反応を示したのが色々と話題になっている。旧来からの「ヒーロー物はかくあるべし」的な圧力の前に頓挫し続けてきた、日本製の「リアルな等身大ヒーロー特撮」というものにヒーロー不在ではあるけどある種の答えを見せた『武器人間』。これを等身大ヒーロー特撮のファンや製作者が見たらどう捉えるのか、すごく興味がある。それだけに、もっと見やすい環境が整って、多くの人に見てもらいたいのですが。
■小山のシネマロブレ5でも、『武器人間』は今月28日までの上映で、上映回数は午後・夕方&夜・レイトの一日三回に(それでもやはり多いのですが)。関東近県の方は是非とも遠征をオススメします。上映時間は下の画像をご参考に。