『TARITARI』ミュージックアルバム ~歌ったり、奏でたり~ を聴いてみた
■昨日は最終回の余韻に突き動かされるままに『TARITARI』について書き綴りましたが、今日も『TARI TARI』ネタでございます。
■今日はAmazonよりこの二つのアイテムが到着。
●ブルーレイ『じょしらく』巻ノ壱(AA)久米田作品のアニメといえばシャフト&新房昭之監督が定番というイメージがある中、スタイリッシュな映像表現にこだわるシャフト&新房昭之のアプローチとは対照的に、噺家女子たちのかわいらしさと危険なギャグとパロディのつるべ打ちをド直球かつパワフルに描いたJC STAFF&水島努監督の益荒男っぷりにすっかりやられてしまい、全巻予約入れてしまいました(^_^;)
とりあえず同梱CDのオリジナル落語「二次限無 Girls SIDE」を聴いてみる……原作のCD付き限定版に収録された、オタクな父親&和尚による萌えキャラ寿限無を、腐女子なお母さん&シスターに置き換えたセルフパロディですが、オタク周辺ネタは最新の物にアップデートされ、さらに声優やら他作品やらの実名出しまくりというかなり際どい内容に(^_^;) ただ、名前が柔らかかつ短めなのでオリジナル寿限無に近いリズム感のあった萌えキャラ寿限無に対し、男性キャラは名前が長かったり厳つかったりしたするためか、男子キャラ版寿限無はいささかぎごちないものになってしまったのが残念だったかも。
映像の方は今巻は特に放映版と変わりないみたいですが、回を追う毎に暴走していってるので、2巻以降は色々変わるのではないだろうか……。あとオープニングが最初からサビのダンス部分がスピーディーな後期バージョンになってたけど、あれはだんだん踊りが上手くなっていく的な仕掛けじゃ無かったのか。
●『TARI TARI』ミュージックアルバム ~歌ったり、奏でたり~(AA)
『TARI TARI』の大きな魅力でもある数々の劇中歌や、本編とリンクする形で用意されたエンディングのバリエーション……これらを完全収録しているのがこのCD。2枚組でBGM編もあるのだけど、そっちはまだ未聴なので本命のボーカル編の方をウォークマンXとカーナビにリッピングして一通り聴いてみましたが、聴いているだけで本編の名場面の数々が脳裏によみがえるような名盤でした。
このCDのいいところは、収録曲のほとんどが本編で使われたままの形になっている点じゃないかと。短いTVサイズの曲ばかりだと、普通なら細切れ感が目立って不満を感じる所だけど、どの曲も本編のドラマに密接に絡んだものばかりなので、ある意味「耳で聴く名場面集」というべき仕上がりとなっているのです。1~2話で使われていた来夏の運命を変えた曲である「goin' my way!!」は来夏の悲鳴やトチリ部分もちゃんと入ってるし、ひったくりに殴り倒されたウィーンが自らの心を鼓舞するために、力をこめたアカペラで歌い出す「熱闘ヒーロー ガンバライジャー(#10Ver.)」は聴いている方まで力がこみ上げてくくるような、独特の臨場感に満ちている。
そして、一番の聴き所といえるのが、作品を貫く柱とも言える、和奏の母の残した曲「心の旋律」。2話のラストを飾った来夏と沙羽の二人による合唱から始まり、様々な衝突を経て絆を結んだ合唱部5人がそろって歌い、さらに和奏の手が加わり母娘合作として生まれ変わった「radiant memory」へと繋がっていく様が、歌だけになったことでくっきりと浮かび上がってくるのだ。ここにコンドルクインズによるアレンジ版ともいえる「Amigo! Amigo!」も加わることで、「心の旋律」が関わってきた人々の絆を繋いできたことがより際だつのも心憎い構成だ。「心の旋律」はTVサイズだけでなく、フルバージョンのものも合唱部5人Ver.と、劇中の美しい合唱曲の数々を担当した幕張総合高校合唱団Ver.も収録されていて、どちらもしんみりと聴き入りたい素晴らしい仕上がりだ。
作品の世界観を音で描く類のアニメアルバムは最近色々出てきているが、歌と物語が密接に絡み合っていることを見事に描き出したこのアルバムは、その中でも秀逸な一枚と断言していい。あの作品に触れ、そこに描き出された世界に惚れ込んだ人なら絶対に聴くべき……いや、このアルバムを聴いて初めて,『TARI TARI』が完結するというべきだろう。