東芝がBDを出さない理由を考える
■仕事とコミケの準備とアスキー・メディアワークス引っ越しにともなう大量の私物の片付けでヒーヒー言ってるところに、尿路結石再発させて七転八倒な日々……何とか薬で押さえ込んでるうちに、また間の空いてしまった更新作業にかかりましょうか。
■地デジ普及促進のため、アナログ放送に強引に告知スーパーを入れるという情報を聞き、先月頭に我が家もデジタル放送への移行を強行。サンヨーの地デジ非対応プラズマから、パナソニックのフルHD液晶ビエラLZ-85の37インチを導入……ああ、これならコピーワンス&ダビング10の分をデメリットを差し引いても、十分満足できるわな。
■地デジ・AV関係絡みで最近気になったのが、この記事。
東芝のデジタルメディア戦略を語る
-東芝DM社・藤井美英社長インタビュー
【前編】【後編】
HD DVD事業終息時に語られた「BD参入はない」という東芝の方針が未だ変わってないことが語られていたせいか、オタクやAVマニア系のブログなどでは東芝に対する落胆&ブーイングといった反応が多いのだけど(まあ未だに「土下座」「ワンダー」とか言ってる輩は、最初からバイアスかかったリアクション前提なんでしょうが)、会社経営という視点からの判断としては、これはこれで正しいんじゃないかと。確かにBD搭載のRDシリーズは出れば買いたい夢のレコーダーですが、先行メーカーと競り合いながらBDレコーダーを出すことで得る利益が、HD DVD事業で負ったダメージを回復させるに足るほど、現在のBD市場はまだうま味が少ないのではないかと。
確かに次世代DVDはBDに一本化されたけど、店頭でのソフトの動きの鈍さなどを見ていると市場はまだ順調に動いているとは言い難い感じだし(良くも悪くも国内のBD市場はアニメ中心なので、新作テレビアニメのソフトとしては初めてDVDと同時リリースされる『マクロスF』『コードギアス R2』の売れ行きが、今後の動向を左右するかと)。あと地デジになって実感したのだけど、これだけキレイな画質であちこちの番組が見られるようになったら、わざわざソフトを買ってみなくてもいいんじゃないかって気分も生まれてきますし。
ハイビジョン録画に関しても、何だかんだで録画&鑑賞はHDDがメインだし、メディアに保存してもあとで見返すことって滅多にない人の方が多いと思うし。特にヘビーに番組を録画している人ほど、HDDの録画分消化に忙しくて、HDDの容量がやばくなったら泣く泣く消すか「いつか見るときのために(そしてたいていは見ずに終わる)」未見の番組をメディアに待避させるなんてパターンも多いはず……自分もそうですしorz そうなると「わざわざ高いBDに保存しなくても、DVDに保存できるならそれでいいんじゃない?」となり、それに応えた結果が「HD Rec」「AVC録画」といった長時間録画規格の搭載なわけで。オタク&AVマニアと一般人では画質へのこだわりに大きな隔たりがあるし、なまじソースがキレイなのでAVCはもちろんVR録画でもそれなりにキレイに見られるし。
■そういった状況も、BDメディア価格のさらなる低下や使い勝手の簡素化(DVD/HDDレコーダーも、操作の難しさから実は思ったより売れていなかったという話もあるし)、先行メーカーのハイビジョン録画の魅力の啓蒙が実ればいずれ変わっていくはず。逆にBD以上に利便性の高い規格が生まれて、BDが一過性の規格として廃れる可能性だって無いとは言えない。そこらへんの動向がある程度固まるのは、地デジへの完全移行が終了する予定の3年後。東芝としてはそれまでは「見」に回って業績回復と開発に専念して、市場の動向が定まってから魅力的な製品を投入するという戦略を考えているのではなかろうか。BD搭載RDを望む声が大きいのは、それがBD市場の新たな起爆剤となる可能性を感じている人が多いからなのだろうけど、その実現にはBD市場自体がもっと大きくなることが必要条件……何というジレンマ。
■まあ、もうひとつの可能性として気になっているのは「BDA(Blu-ray Disc Association)に加入できないので、東芝はBD製品をだせない」のではないかということ。まあ、さすがにこれはないと思うんですけどね。
■地デジ普及促進のため、アナログ放送に強引に告知スーパーを入れるという情報を聞き、先月頭に我が家もデジタル放送への移行を強行。サンヨーの地デジ非対応プラズマから、パナソニックのフルHD液晶ビエラLZ-85の37インチを導入……ああ、これならコピーワンス&ダビング10の分をデメリットを差し引いても、十分満足できるわな。
■地デジ・AV関係絡みで最近気になったのが、この記事。
東芝のデジタルメディア戦略を語る
-東芝DM社・藤井美英社長インタビュー
【前編】【後編】
HD DVD事業終息時に語られた「BD参入はない」という東芝の方針が未だ変わってないことが語られていたせいか、オタクやAVマニア系のブログなどでは東芝に対する落胆&ブーイングといった反応が多いのだけど(まあ未だに「土下座」「ワンダー」とか言ってる輩は、最初からバイアスかかったリアクション前提なんでしょうが)、会社経営という視点からの判断としては、これはこれで正しいんじゃないかと。確かにBD搭載のRDシリーズは出れば買いたい夢のレコーダーですが、先行メーカーと競り合いながらBDレコーダーを出すことで得る利益が、HD DVD事業で負ったダメージを回復させるに足るほど、現在のBD市場はまだうま味が少ないのではないかと。
確かに次世代DVDはBDに一本化されたけど、店頭でのソフトの動きの鈍さなどを見ていると市場はまだ順調に動いているとは言い難い感じだし(良くも悪くも国内のBD市場はアニメ中心なので、新作テレビアニメのソフトとしては初めてDVDと同時リリースされる『マクロスF』『コードギアス R2』の売れ行きが、今後の動向を左右するかと)。あと地デジになって実感したのだけど、これだけキレイな画質であちこちの番組が見られるようになったら、わざわざソフトを買ってみなくてもいいんじゃないかって気分も生まれてきますし。
ハイビジョン録画に関しても、何だかんだで録画&鑑賞はHDDがメインだし、メディアに保存してもあとで見返すことって滅多にない人の方が多いと思うし。特にヘビーに番組を録画している人ほど、HDDの録画分消化に忙しくて、HDDの容量がやばくなったら泣く泣く消すか「いつか見るときのために(そしてたいていは見ずに終わる)」未見の番組をメディアに待避させるなんてパターンも多いはず……自分もそうですしorz そうなると「わざわざ高いBDに保存しなくても、DVDに保存できるならそれでいいんじゃない?」となり、それに応えた結果が「HD Rec」「AVC録画」といった長時間録画規格の搭載なわけで。オタク&AVマニアと一般人では画質へのこだわりに大きな隔たりがあるし、なまじソースがキレイなのでAVCはもちろんVR録画でもそれなりにキレイに見られるし。
■そういった状況も、BDメディア価格のさらなる低下や使い勝手の簡素化(DVD/HDDレコーダーも、操作の難しさから実は思ったより売れていなかったという話もあるし)、先行メーカーのハイビジョン録画の魅力の啓蒙が実ればいずれ変わっていくはず。逆にBD以上に利便性の高い規格が生まれて、BDが一過性の規格として廃れる可能性だって無いとは言えない。そこらへんの動向がある程度固まるのは、地デジへの完全移行が終了する予定の3年後。東芝としてはそれまでは「見」に回って業績回復と開発に専念して、市場の動向が定まってから魅力的な製品を投入するという戦略を考えているのではなかろうか。BD搭載RDを望む声が大きいのは、それがBD市場の新たな起爆剤となる可能性を感じている人が多いからなのだろうけど、その実現にはBD市場自体がもっと大きくなることが必要条件……何というジレンマ。
■まあ、もうひとつの可能性として気になっているのは「BDA(Blu-ray Disc Association)に加入できないので、東芝はBD製品をだせない」のではないかということ。まあ、さすがにこれはないと思うんですけどね。
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