未だにメーカーと信者だけが罵りあいつつ盛り上がってるだけで、市場がほとんど動いている感じのしない次世代DVD。先日「ワーナーがBDを単独支持」というニュースが出て、東芝から百数十億円ふんだくってHD DVD単独支持になったはずのパラマウントまでBDに寝返るなんてニュースが出たせいか、掲示板とかではBD信者が「HDなんたら死亡w」と盛り上がってますが、どうしてこの手の人たちは「自分の支持する規格が勝ち組=自分も人生の勝者」みたいにはしゃげるんだろうかなあ……。
それはさておき、実際の関連製品はどうなのかと。レコーダーは両陣営共に第3世代が出そろいつつあるせいか、モノが動いている感じはするのだけど、肝心のソフトがいっこうに売れている気配がないですよね。HD DVDはともかく、プレイヤーベースなら不振とはいえPS3がそれなりの数が出ているBDも。メーカー側もハードの売り上げやシェアは積極的にリリースばらまいて発表するけど、肝心のソフトの売り上げ枚数(特に個別タイトルでの)がほとんど発表されませんし。かなり昔に発表された、BD版『イノセンス』の1万枚強という数字が国内トップという状況が変わってないとしたら、メーカー側の必死の売り込みぶりも分かる気が。
どんだけハリウッド映画のタイトルが増えたとしても、わざわざソフトを手元に置いておきたいと思うほどの名作・傑作はそうはないし、日本市場におけるソフトの値段の高さを考えると、アメリカのようにほいほい売れるというわけでもないのかも。ましてやWOWOWやe2スカパーなどの充実した映像ソースがあったら、録画文化の強い日本では「録画で済ませればいいか」ってことになるだろうし。つまり……
「HDDレコーダーにHD画質で録画できて楽しめれば、次世代メディアいらなくね?」という結論になるわけで。そして買ってしまったわけですね、これを。
東芝RD-A301……CPRM対応のDVDメディアに、ハイビジョン画質の録画データを解像度を保ったままムーブ可能な「HD Rec」を実装した第3世代のHD DVD/HDDレコーダーです。「なんで今、負け確定のHD DVDレコーダを?」という人もいるでしょうが、理由は以下の通り。
■実売で10万円前後なので、確定申告の経費で丸々落とせる(セッティングは新年になってからだけど、買ったのは年内)
■1月末までの「トランスフォーマーキャンペーン」の特典がえらいお得。
■RDの録画/編集機能とHD Recでの運用が目的なので、ぶっちゃけHD DVDはあまり重視していない
自分はヤマダ電機で購入したのですが、年末の売り出しだったこともあり108000円&15%ポイント還元で実質91800円。さらにキャンペーンでHD DVD-R&DVD-R各5枚にHD DVD『トランスフォーマー』が貰えるので、これがだいたい12000円と見積もって本体が実質80000円。そして、もうひとつの特典である劇場版トランスフォーマーの限定アイテム『スタースクリーム VARDIA RED』。レア度が高く、市場にもほとんど出ないだろうから(A301が売れないのを前提で話すなw)、ヤフオクあたりで1万円前後で売れると考えれば……これにて実質7万円。HDコンテンツもDVDに保存できるハイビジョンレコーダー(HD DVD機能のおまけ付き)として考えれば、がぜんお買い得なわけだ。
最後の機能面に関しては、いままでのRDシリーズで蓄積されたノウハウのある意味集大成。特に細かい編集にこだわる人や、自分のように「録画はもうRDしか考えられない」というRD厨なら、万難を排して買う価値ありかと。番組表から連続もの番組の予約を入れると自動で「毎週○曜日」にしてくれたり、本編/CMのチャプター打ちが自動化されていたりと、細かい部分での使い勝手の向上もうれしいです(ただ、自動チャプター打ちが働かない場合も。年始にBS11のアニメ番組を何本か録画したけど、『絶望先生』『アクエリオン』は自動打ちが働いて、『ペルソナTS』『エヴァンゲリオン』『ガンスリンガーガール』はダメでした)。
気になる人も多いであろうHD Recですが、TSモードで録画した『ペルソナTS』をTSEレート変換してみたところ、ビットレート5.2メガ(DVD-Rに4話分収まるサイズ)でも映像には特に問題なし。このレートだと眩しい光が一瞬瞬いたり、半透明の絵が激しく動いたりするようなシーンではブロックノイズ破綻が現れる所もわずかに見られたので、気になる人は3話分収まるぐらいまでレートを上げてもいいかと。CPRM対応DVD-Rはメディア単価が1枚100円強まで下がっているし、せっかくのHDソースでもあるし。ちなみにBS11版『絶望先生』1話分のみをRに収まるよう変換してみると、ビットレート17メガで破綻はほとんど無しでした。
ちなみに同じHDD内で、コピーワンスタイトルのTSE変換・ムーブが可能なので、録画時は劣化無しのTS録画にしておいて、見終えてからどれくらいのレートで保存するかを決めてTSE変換・保存→メディア1枚分貯まったらムーブといった使い方が現時点では一番良いかと。東芝のRD神こと片岡氏がインタビューで、最初からTSE録画ができない理由を「とりあえずは一番いい画質で録っておいた方が後悔しない」と録画マニアらしいコメントをしていましたが、そういった思想がよく出ている仕組みかと。ただ、ある程度ビットレートの目安がつかめてきたら、最初からTSEで録画したいというところもあるので、バージョンアップでのTSE直接録画の実装を早く実現してほしいですね。
HD DVDということでネガティブに見られる面はあるけど、編集機能の充実したDVDへのHD保存が可能なハイビジョンレコーダーとして考えれば、機能・実売価格ともにかなり満足のいくハードに仕上がっているかと。DVDのアップコンバート再生もいい感じなので、高機能DVDプレイヤーとしても使い勝手が良いですし。価格が下がったとはいえ、次世代メディアは保存に使いまくるにはまだまだ高いですし、BDソフト鑑賞ならPS3があれば十二分にフォローできるから、RD-A301導入という選択肢はアリだと思いますよ。
まあPS3(゚⊿゚)イラネという人なら、もちろん録画・再生が一台でフォローできるBDレコーダーを買うべきだとは思いますけどw。