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らきすたの街・鷲宮 20081109

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2006.07.30

何かと話題の『ゲド戦記』を見てきたわけですが

 夏コミの新刊も無事に入稿を終えたので、あとは色々と遅れ気味の仕事を片付けるのみ。・゚・(ノД`)・゚・。
 そんなわけで、この週末は水道橋の某ホテルにこもって自主缶詰モードなのですが、小休止中に映画情報を調べていたら、新宿にて公開初日の『ゲド戦記』オールナイトが! すぐ近くでは「細田×時かけナイト」も同時刻にやっていたのでどちらを見るか迷ったのだけど、時かけオールナイトは念のために足を運んだら満席だったし、大林版と「ぼくらのウォーゲーム」まで見なきゃならんのでパスして、午前0時よりスタートの『ゲド戦記』へ(別に作品が嫌いなわけじゃないですが(^_^;))。

 隅田川花火大会の流れで夜明かししようという客が多かったせいもあるんでしょうが、午前0時の回で600人ほど収容の劇場が半数強埋まっているのは、さすがジブリという感じでしょうか。で、ネットや評論家筋の酷評ばかりが目立つ内容だけに、どんなものかと不安だったのですが……

「確かにアラも欠点も多いけど、ヒステリックに叩くほどダメとも思えない」
「なんだかんだで二時間飽きずに最後まで見られたのは、十分に評価できる」
「テルーが思いのほかいいツンデレさんなので萌えた(笑)。あの正体の設定はすごい萌え属性ですYO!」
「歴代ジブリ作品と比べたら明らかに下位の方かも知れないけど、アニメ作品全般としてみればむしろ中の上ぐらい。監督世襲というネガティブイメージが、無意味に批判を増大させている気が」

 ただ、欠点というか不満も多々あったのは事実。

「ビジュアル的になまじ宮崎駿ラインを継承している分、画から力が感じられなかった。宮崎作品のパチ物みたいな印象を持ってしまう」
「終盤までの展開があまりに平坦。クライマックス付近の活劇も、過去の宮崎作品のデジャヴのように見えてしまった点がマイナス」
「退廃した街の描写やらアレン王子出奔の顛末とかから、あまりにも現代世相批判が見えすぎてしまって、ファンタジーらしさに欠けていたような気がする」
「悪役が正直ショボイ」

 前二つは制作側の周囲が「宮崎作品らしさ」を求めすぎたがゆえの弊害という面もあるけど、後二つは明らかに今作品そのものの問題。これは何とかして欲しかった。

 あと他の批判とかでもよく言われている「台詞で説明しすぎ」という点に関しては、気になりはしたけれど批判すべきかどうかは迷うところ。映画秘宝でのファビュラスバーカーボーイズ(町山智浩氏&柳下毅一郎氏)対談で以前語られていたけど、ハリウッド大作などでも「画や演出で観客にわからせるべきところを、台詞で説明する作品が最近多すぎ」とのこと。
 これはマンガとかでも言われている問題だけど、マスな受け手側の読解力のハードルがどんどん下がっているので、できる限りわかりやすくしないと受け手はわかってくれないし、面白がってくれない傾向が強くなっているんですよね。それを考えると、『ゲド戦記』もジブリ作品という「国民的映画でなくてはならない」という制約ゆえに、説明台詞を多くせざる得なかったのではないかと(もちろく脚本の構成&原作の咀嚼不足という点も否めないだろうけど)。

 というわけで、間違っても傑作じゃないけど、劇場で見ても金返せとまでは言わない佳作というのが、自分なりの『ゲド戦記』評。とりあえずテルーにはちょっと萌えた(声はアレだけど)。それだけに、公開前からのバッシングの激しさには正直違和感を感じましたわ。「気に入らないからスルー」程度のレベルだと思うんだけど。特にラジオで「ゴミ」と公言したらしいおすぎは、いったい何がそこまで気に入らなかったんだろうか……。

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